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【2009年に手術した食道がんの治療と後遺症について】

小木曽 道夫

○診断

 2009年8月27日(木)に胸部中部食道扁平上皮がんで、cT2N1M0の段階と診断されました。cT2N1M0の段階とは、T2:がんの深さが筋肉に到達しているが筋層を貫いておらず、N1:近隣リンパ節への転移が疑われ、M0:遠隔器官への転移は無い段階のことです。

○2009年度の休講や代講など

 つきましては、科目によって授業を、1.今年度は休講させていただく、2.今年度は予定通り開講するが手術後の一時期休講させていただく、3.他の先生に代講をお願いする、ことをお詫び申し上げます。

1.ネットワーキングの基礎(月2)ネットワーク型組織(火2)は今年度(2009年度)は休講させていただきます。
 これらの2科目は他の科目の前提科目となっていないため、 2009年度は休講とさせていただきます。誠に申し訳ございませんが、これらの科目の履修を希望していた方は他の科目を選択してください。

2.アンケート調査実習A(月4)アンケート調査入門(月5)、および、通年科目である演習T(火4)演習U(火5)は小木曽が担当して開講し、手術後の休講分は補講で補います。
 アンケート調査実習Aは2010年度のアンケート調査実習B、アンケート調査入門は2010年度のアンケート調査の前提科目となっているため、2009年度は開講いたします。 食道がんの治療に伴って、月曜日(アンケート調査実習B、アンケート調査入門)は、10月5日、10月12日、11月9日、12月21日、火曜日(演習T・演習U)は、9月29日、10月6日、10月13日、11月10日に休講させていただいたことをお詫び申し上げます。

3.必修科目である基礎演習B(月1)は古沢 広祐 先生に、基礎演習A(再)(火6)は高橋 尚子 先生に代講をお願いすることになりました。

○治療の経過

 8月19日(水)から9月15日(火)まで検査と1回目の化学療法のために入院しました。1回目の化学療法は標準FP(800/80)療法で、抗がん剤は5-FUを8月31日(月)から5日間(ブリプラチンの点滴中を除き)点滴し、9月1日(火)にブリプラチン(=シスプラチン)を点滴しました。
 9月24日(木)から10月15日(木)まで手術のために入院しました。9月30日(水)に食道と胃の上部を切除し、頸部・胸部・腹部の3領域のリンパ節を郭清し、胸骨後に消化器官を再建する手術を受けました。手術の結果、検査によって確認できたがんをすべて切除することができました。10月7日(水)に、造影検査によって消化器官の吻合が確認されました。
 10月28日(水)から11月14日(土)まで2回目の化学療法のために入院しました。2回目の化学療法はDCF(TXT-FP 60/50/500)療法で、抗がん剤は5-FUを10月29日(木)から5日間(ブリプラチンの点滴中を除き)点滴し、10月30日(金)にタキソテールを、ブリプラチンを点滴しました。

 12月21日(月)から2010年1月1日まで3回目の化学療法のために入院しました。3回目の化学療法もDCF(TXT-FP 60/50/500)療法で、抗がん剤は80%に減量して、5-FUを12月21日(月)から5日間(ブリプラチンの点滴中を除き)点滴し、12月22日(火)にタキソテール、ブリプラチンを点滴しました。

○手術後に予想される後遺症

 手術後は、1)声量が落ちる、声の倍音構成がおかしくなるなどの発声障害、2) 頸部・胸部・腹部のリンパ節を郭清したため、肺活量が落ち、痰が出しにくい、咳き込みやすいといった呼吸障害、3)食道をすべて切除し胃を代用食道にすることによる障害、および、4)食道と胃の境界にある逆流防止機構(噴門)が手術でなくなってしまうことによる逆流症状が残ります。2009年度のアンケート調査実習A、アンケート調査入門、「小木曽ゼミ」の受講者にはご迷惑をおかけすることになりますが、「がん患者の職場復帰に向けてのリハビリテーションについての体験実習に参加できる」と発想を転換してください。


○外見と予測余命との乖離

 手術や化学療法という治療の副作用や後遺症としての外見と、治療の成果としての予測余命との間には大きな隔たりがある。2009年7月、つまり2009年前期や、2009年後期月曜日初回の9月28日の時点では、外見はほぼ健常者であるが、何も治療(または手術)しなければあと1年の命であった。一方、3回目の化学療法が終了した2010年の1月の時点では、外見は頭髪・眉毛・睫毛が無く、運動能力は低く、せき込みやすい、といった具合に死の一歩手前に見えたかもしれないが、治療の成果があって予測余命は健常者と同様となった。

時点治療外見予測余命
2009年7月何もしていない健常者1年程度
2009年9月28日1回目の化学療法(タキソテールは不使用)が終了若干頭髪が脱毛しているが、ほぼ健常者1年より多少長い程度であるが、術前化学療法により転移リスクは低下。
2009年10月19日から10月27日手術が終了頭髪はほぼ以前と同じであるが、激しいせき込みや声量が落ちる、声の倍音構成がおかしくなるなどの発声障害転移がなければ健常者と同様であるが、術後化学療法をしなければ転移リスクが相対的に高い。
2009年11月16日から12月15日2回目の化学療法(タキソテールも使用)が終了頭髪は1mm坊主刈りで、せき込みは多少軽減し、声の倍音構成がおかしくなる発声障害は12月中旬に治った転移がなければ健常者と同様であるが、転移リスクは低下。
2010年1月10日から1月19日3回目の化学療法(タキソテールも使用)が終了頭髪は坊主刈りかハゲなのかわからず、眉毛と睫毛が無く、せき込みも続く転移がなければ健常者と同様であるが、転移リスクはさらに低下。


○2010年度以降の開講
 2010年度〜2014年度は(2014年度の台風による全学休講を除き)全科目を休講することなく終了した。

○橋本病による甲状腺機能障害
 2011年7月末頃から体重減少、頻脈、動悸、筋肉減少、筋無力症といった症状が現れ、8月23日に甲状腺機能昂進症、8月30日に甲状腺機能昂進症の原因は橋本病であると診断され、12月2日には逆に橋本病による甲状腺機能低下症と診断された。2012年3月5日の検査結果では、甲状腺刺激ホルモン・遊離トリヨードサイロニン・遊離サイロキシンT4は正常値を回復し、現在に至っている。
 甲状腺機能障害の後遺症により、(後述する)頻脈、動悸、貧血といったダンピング症候群、および、運動能力低下といった抗がん剤タキソテールの後遺症が強化されてしまう。また、2011年10月25日の健康診断の心電図検査の結果、甲状腺機能昂進症の後遺症らしき心筋右房負荷と診断された。

○2013年4月時点でのおもな後遺症
 2013年4月の時点において、軽症のものを含めると膨大な種類の後遺症を抱えているため、とくに顕著な症状に限って紹介する。

Copyright by 2009-2013 Ogiso Michio, 2009/9/17 初出、 10/7更新、 10/14更新、 11/7更新、 11/30更新、 12/28更新、 2010/1/1更新、 2015/3/17更新
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