第4章 第1節 システムと自己組織化【第4章の目次へ戻る】【つぎへ】
システムの組織化は、システムの外部からの影響による受動的な組織化と、システムが自ら能動的に自らのメカニズムに準拠して自らを変化させていく自己準拠的な自己組織化とに区別できる。さらに、自己組織化は、システム内部の静的な力を用いてエントロピーを内部に蓄積していく保存的自己組織化と、環境との交換を通じて絶えずエントロピーを生産しそこで生じたエントロピーを外部に散逸させていく散逸的自己組織化とに分類することができる。さして、散逸的自己組織化は、非均衡的なゆらぎの自己増幅過程と、新しい秩序や構造を形成していく自己創出過程という相補的な二つの過程から行われるものである。