【専任教員の紹介の目次】

ふるさわ こうゆう

古沢 広祐

 すなわち、“南北間”の問題と“世代間”の問題、そして人間と他の生き物たちとの共存・共生という非常に難しい課題、「永続可能な発展」の道を見いだせるかどうかが、私たちに問いかけられているのです。
 その理念を現実のものにする新たな世界観・文明観はどのように形成されつつあるのでしょうか。例えば、「環境に優しい企業活動」(エコビジネス)や「環境に優しい消費者」(グリーンコンシューマー)、「持続可能な国際協力・援助」などが世界的に注目を集めています。こうした試みによって21世紀の社会が展望できるか、広く考えてみましょう。

「今世界でどれだけの食糧・エネルギーが求められているのでしょう? また捨てられるでしょうか? この授業は、身近なところから現代社会の矛盾に気づかせてくれます。より良い暮らしをしたいなら、この授業はお勧めです。」
「環境について、また食や農業について実習やビデオを通じて誰にも分かり易い内容なので興味のいかんにかかわらず一度足を運んで下さい。」
(『環境と経済T・U』)

 産業革命を境にして、人類の活動は人口増加、エネルギー消費、経済活動、情報量などを見る限り、飛躍的成長を遂げてきました。まさに驚異的とも言える急激な人類活動の拡大がこのまま続けば、今日の地球環境問題の深刻化に見るように、私たちの未来は破局を迎える可能性が高い。  そこで問題なのは、世界人口の2割に過ぎない先進工業国が、エネルギー・資源全体の8割も消費しているという不均衡の上に成り立っていることです。このままでは2割弱の人々が地球資源の大半を独占し、使い尽くしてしまいかねません。
 また、現在の世代は後の世代への配慮もなしに使える限り使ってしまう、残るはゴミや有害廃棄物、汚染のみといった暮らし方をしています。私たちは将来の世代の生存の可能性を奪っているのです。