のだ たかお 野田 隆夫 |
産業革命の後、経済が成長して資本主義経済と呼ばれる段階になると、好景気と不景気が交互に現れるようになり、恐慌と呼ばれるひどい不景気では、多くの人々が路頭に迷い、悲惨な情景が生まれました。これを見て、19世紀にマルクスという経済学者は、資本主義経済には大きな欠陥があり、いずれ壊れるだろうし、早く壊して新しい経済のしくみ、社会主義経済に変えるべきだと考えました。しかし、他の経済学者の多くは、不景気は風邪のようなもので、経済には自然治癒力があり、ほっておいても治る、と楽観的でした。 |
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店の主が「景気はどうですか?」と訊かれ、「ぼちぼちですね。」と答えるとき、この景気という言葉は、この店の売れ行きの状況、もうかり具合を指します。それに対して、「景気を浮揚する強力な政策を実行します。」と政治家が言うとき、この景気は日本経済全体の調子を指しています。 |