【専任教員の紹介の目次】

おごし ようのすけ

小越 洋之助

 若者の非正規雇用化は、その身分の不安定化や低賃金のために、たんに雇用問題だけにとどまらず、少子化や社会保障にも影響します。最近では「ニート」という存在も問題視されてきました。それでは正社員は、安泰かというと、長時間残業・過密労働などの深刻な問題を抱えています。現代日本の雇用問題の状況を理解し、その解決策を皆さんと考えていくのが、私の今の授業テーマです。

 「授業で使うテキストは難しいですが、授業内容は自分の卒業後の将来に密接に関係があるのでおもしろいです。こんなに今の若者の置かれている現実が厳しいとは想像もできませんでした。これを機会に大学在学中にしっかり勉強しておきたいと思いました。」
(『社会政策と雇用システム』)

 日本の雇用慣行・システムは、最近まで終身雇用と年功賃金が常識でした。ところが、経済のグローバル化や規制緩和などを背景に、大企業・公官庁などを中心とするこの慣行・制度が、今、激動の波にさらされ、雇用の流動化や成果主義賃金化が進展しています。それとの関係で、このところ非正規雇用が激増し、約5,000万人のサラリーマンのうち、約1,600万人、全体の約3分の1を占めるに至っています。この中では、アルバイト、パート、フリーター、派遣や請負など、若者の比率が高くなっており、このテーマは皆さん自身にとっても切実な問題です。