【専任教員の紹介の目次】

おおさか たけし

大坂 健

過程で、政官財の癒着を生みだし、大企業と地域を通じて経済成長の成果を分配する日本型福祉国家システムが形成されたのです。
 このシステムは、グローバル化と日本企業の多国籍化が進むとともに、90年代になって多方面から批判され、再編されつつあります。とりわけ、90年代後半以降に安上がりの行政と国に財政的に依存しない自前主義の自治システムを基本とした分権型国家形成に向けた民営化・行政改革や、市町村合併・道州制の導入、地方税財政改革などの改革が進行しつつあります。それは、地域の総合性を作りあげる自治体の機能が衰退することを意味します。
 私たちの生活を地域で支える自治体を作り上げていくためには、どのような行財政改革が必要か、ともに考えていきましょう。

 「この講義は、日本型福祉システム再編の背景とその意義を踏まえて、現在『地方自治構造改革』として推進されている市町村合併・道州制や三位一体改革、地方行革について、その問題を析出するとともに、住民自治拡充の立場からあるべき地方自治改革について明らかにしてくれます。」
(『地域と行財政』)

 人間の生活は、工場やオフィスでの生産活動と家族を単位とした消費活動とに分けられますが、前者のプロセスは世界的規模で結びつき展開されているのに対して、後者については定住する狭域な空間である地域で行われます。地域に自然・資源・社会資本・雇用・地域共同管理組織など社会的自然的条件が総合的に整っていなければ、環境問題・都市問題・過疎問題など様々な生活困難が生まれ、私たちの生活が成り立ちません。
 しかし、日本の地域は戦後に大きく変化し、地域の整合性が壊れてしまいました。地域は、東京−県庁所在地−地方都市−農漁村、というように階層化し、序列化が進みました。これに対して、政府は「均衡ある国土の形成」のために地域開発問題を展開しましたが、結局、地方の経済は量的に拡大したものの、大都市に本社のある工場・支店と公共事業に依存する体質が形成されました。その