【専任教員の紹介の目次】

おこん  ひろゆき

尾近 裕幸

 「人間力」を教育指導理念としているのは鳥取大学です。そこでは人間力を「『知力』、『実践力』、『気力』、『体力』および『コミュニケーション力』の5つの構成要素から成り立つ総合的かつ人間的能力」として定義しています(http://glc.office.tottori-u.ac.jp/Syllabus/Ningenryoku/kangaekata.htm)。そして、これら5つの構成要素はそれぞれがさらに、行動力、持続力、適応力、受容力、チャレンジ精神などの細かな能力の集合として定義されます。こうして考えると、「人間」というのは本当に多様な能力をもった生き物だということが再確認できます。
 今、私は、大学を「人間としての総合的な能力を高める場」として考えています。そして、こうした考えにたって学生に接し、また私自身の人間力を高めていこうと思います。

 「パワーポイントを利用したこの授業では学習上の重要点が明確にわかります。また不慣れな専門用語も分かり易く説明されるので、辞書を引く必要がありません。さらに分かりづらい内容の箇所は何度も繰り返し説明してくれるので理解しながら学習できます。」
(『ミクロ経済学』)

 大学とはどのようなところでしょうか。経済学部ならば、「経済学」といった専門的な知識と高い教養を身につける場であることは言うまでもありません。でも、それだけが大学でできること、すべきことでしょうか。
 私は、専門科目である「ミクロ経済学」、そして必修科目である「日本の経済」や「基礎演習」の授業を通じた経験から、大学生が大学でできること、すべきことは、様々な能力を高めてゆくことではないかと考えるようになりました。そして、各学生が自ら専攻する学修領域に関する専門的知識に加えて、時間厳守力、創造性、行動力、表現力、コミュニケーション力などなどの様々な能力について自覚し、それらを高めてゆく場として大学があるのではないかと考えました。そのとき、これらの様々な能力を総合的に表現する適切な言葉がないかと考え、インターネットで調べていたときに出会ったのが、「人間力」という言葉です。