【専任教員の紹介の目次】

すなが きんさぶろう

壽永 欣三郎

てドメイン(事業領域)別管理方式に移行しています。また東芝では、総合電気メーカーとしての衣を捨て、多くの事業の分社化を進めています。さらにトヨタ自動車は、1982年のトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売との「工販合併」の時点で、経営組織を職能別組織に改めて意思決定を早める体制を作り、現在はいっそうの精緻化を進め、世界各地での生産、販売体制の効率的な運営に努めています。また、かつてベンチャー・ビジネスといわれた企業ですが、日本電産、キーエンス、日東電工などは、特定分野に絞った企業活動により、世界でのシェアを高め、大企業に成長しています。

 日本の企業経営
 これらの日本企業は、不況と言われた90年代にも成長を続けていますが、多くの企業に共通するのは「経営の米国化」を万能としていないことです。日米の企業経営で最も異なるのは、簡単に従業員を解雇しない日本企業と、レイオフを組み込んだ米国企業の雇用管理方式とであり、また企業統治方式の違いです。経営には唯一絶対の方式はありません。

 「企業経営とは何か、どのような目的で経営管理を行っているのかを学び、経営管理の重要さを知り、また実行する際の難しさを知らされました。会社内部の組織が会社毎に異なることも分かり勉強になりました。」
(『経営管理T』)

 企業と企業家精神
 企業は、ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を利用してヒット商品を創り、市場において競争優位性の維持・確立を図る経済組織体です。近年、日本企業は、経済のグローバル化や規制緩和による競争環境の変化、情報化の進展などにより、大企業、中小企業を問わず、大きく変化しています。変化への対応で重要なのは、トップ・マネジメントの強いリーダーシップの下で、ポジショニング(自社の今後の進出分野を明確にすること)を中心とした経営戦略を立案し、実行することや、経営者がリスクを恐れず新しい分野に挑戦する企業家精神(アントルプルヌールシップ)の持ち主であるかどうかにかかっています。

 元気な日本企業
 例えば、松下電器産業ですが、日本企業で最初に事業部制組織を採用しましたが、関係会社や子会社を再編成するとともに、事業部制を廃止し