【専任教員の紹介の目次】

ちゅうま しょうこ

中馬 祥子

く社会・経済状況に対するイメージや理解を膨らませることが重要だと思います。
 開発途上国について学ぶ過程では、きっと様々な疑問が生まれてくるでしょう。例えば、「Made in China」が多くを占める100円ショップの商品は、どのような仕組みの中でどのような人々によって作られ、私たちの手元にやって来るのか、等の疑問を持ったことがある人はいませんか? この疑問について調べて行くと、開発途上国で求職活動をしている人々の困難や厳しい労働条件、そして生産を請け負う現地企業と日本で小売りを展開する企業との力関係等についての現実を知ることができるでしょう。生産・流通・貿易をめぐる現実は、グローバルな激しい競争の下にある資本主義経済の構造の中にすっぽりと位置づけられているのです。

 「私たちが参加している先生のフィールドスタディでは、タイに焦点をあてた研究をしています。前期はタイについての基礎学習を演習形式で行い、教育・経済格差、日本との比較など、それぞれが興味を持ったテーマについて夏期に現地調査をして、9〜12月に論文を仕上げます。フィールドスタディでは論文を書くことが目標ですが、新たな仲間との輪が広がり、自己発見もできる機会になります。」
(『フィールドスタディ』)

 私が皆さんとご一緒する授業は、「開発経済T・U」「環境・開発問題入門」そして「フィールドスタディ」などです。そのいずれも、東南アジア諸国や中国、インドなど、いわゆる開発途上国と呼ばれる国や地域について学ぶ授業です。開発途上国というと何か少し「遠い」国というイメージを持つ人がいるかも知れません。しかし、実際には、私たちの身の回りはこうした国・地域からやって来た物で満ちあふれています。野菜や果物、魚介類、各種冷凍食品から、種々の日用雑貨、ゲーム機やパソコンのような精密機械製品まで、本当に様々です。
 そして当たり前のことですが、こうした商品が生産される現場でも、私たちの社会と同じように多くの人々が働き、生活をしています。ですから開発の問題を考える時には、まず私たち自身の生活と開発途上国とがどのような太い糸でつながれているのかを知り、開発途上国に生きる人々を取り巻