発行日:平成16年8月20日
企画制作:國學院大學日本文化研究所学術フロンティア推進事業
製 作:(株)堀内カラー
FileMaker6.0 Runtime for Windows
対応機種:Intel互換Pentium90MHz以上のプロセッサ搭載機種
32MB以上のRAM、CD-ROMドライブ(必須)
対応システム:Windous98,Me,NT4.0(SP6a以降),2000,XP
大場磐雄博士と大場磐雄博士写真資料
大場磐雄博士(1899〜1975)は、國學院大學を卒業後、横浜第二中学校教諭を経て、内務省神社局考証課に勤め、後年國學院大學教授となった。考古学者であるが、折口信夫博士に民俗学を学び、内務省神社局では宮地直一博士の下で各地の神社調査を行い各社の神社誌等を編集するなど、考古学・民俗学・文献史学に精通し、後年それらを総合した神道考古学を確立した。
初期の博士は、諸磯式土器の研究や、柴田常恵氏との共著『石器時代の住居址』など石器時代研究者として知られるが、伊豆洗田遺跡の調査をきっかけに神道考古学の研究を深め、熊野・春日・諏訪などの経塚、神坂峠・入山峠などの遺跡や各地の神体山・磐座などの調査を行い、『神道考古学論攷』『祭祀遺蹟』として結実させていく。一方、その間も各時代にわたる洞穴遺跡、弥生時代の低地遺跡である菅生遺跡や登呂遺跡、縄文〜古代の集落遺跡である平出遺跡、方形周溝墓命名の契機となった宇津木向原遺跡など幅広い時代の調査・研究を手がけている。晩年には、銅鐸や古墳、式内社等の分布から古氏族に迫った『考古学上から見た古氏族の研究』をまとめている。また『日本考古学新講』『まつり』『十二支のはなし』など概説書・一般書も多数著している。
博士の収集した蔵書・写真原版・各種資料等は没後一括して本学に寄贈された。蔵書については國學院大学図書館より『楽石文庫目録』が刊行されたが、それ以外の資料については平成11年度より國學院大學学術フロンティア構想「劣化画像の再生活用と資料化に関する基礎的研究」の一環として整理を進めており、本データベースは写真原版資料の一部を収録したものである。なお、また、実測図・拓本等の各種資料のうち旧石器時代〜古墳時代までの資料を『大場磐雄博士資料目録』Tとして刊行した。
収録した資料4277点の大部分は大正11年から昭和30年代に撮影されたガラス乾板・硝酸セルロースフィルムである。平出遺跡、大生古墳、亀塚古墳、登呂遺跡、上原遺跡、伊興遺跡、浅間古墳群、鏡塚古墳をはじめとする遺跡の調査時の資料や神宮神宝調査や羽黒鏡等の神社調査時の資料がまとまっているほか、各地の調査旅行で撮影した遺跡・遺物・神社・民俗の写真も多数存在している。信仰の対象となった山・岩・池などの景観写真も注目される。なお、この他に別置されていたガラス乾板約820点、昭和30年代以降の35mmネガフィルム約300本があり、整理が進められている。
例 言
・本データベースは國學院大學学術フロンティア構想「劣化画像の再生活用と資料化に関する基礎的研究」の一環として実施した大場磐雄博士写真資料の一部を収録したものである。
・私的写真の一部については非公開としている。
・JIS第1水準・第2水準以外の漢字については[ ]で示し、カタカナで読みを入れている。
・旧字体については、特別な場合を除いて基本的に新字体に改めてある。
・大箱に付されたメモ、大箱・小箱関係についてはCD内の大箱・小箱一覧.xlsを参照されたい。
・収録した写真の一部は『大場磐雄博士資料目録』Tにも収録しているが、刊行後の再検討により「撮影対象」等に変更を行った部分がある。
・データベースの入力・編集は杉山林継の統括のもと、荒井裕介・宇野淳子・遠藤美穂・加藤里美・新原佑典・杉山章子・関根信夫・野晶文・中村耕作・深澤太郎・山内利秋・山添奈苗が担当した。
・本データベースに収録した写真の利用については、國學院大學学術フロンティア事業実行委員会までお問い合わせください。
・整理番号:原則として大場博士が整理された順序で、通し番号を振った。
・グループ名:遺跡・神社などの単位。詳しくはCD内のグループ名一覧.txtを参照されたい。
・撮影対象:メモ書をもとに、現在一般的に用いられている名称を採用した。
・撮影日時:メモ書および報告書等の記載をもとに入力した。
・撮影場所:現行の都道府県名・市町村名としたが、一部市町村が不明なものがある。
・対象時代:考古学関連資料のみ記載した。
・メモ書:小箱および包紙に書かれた大場博士の書き込みをそのまま提示している。判読できないものについては「■」で表している。
・原板種類:ガラス乾板・硝酸セルロースフィルム・三酢酸アセテートフィルムの別を記した。
・原板サイズ:手札・キャビネ・ベスト判・6×6・6×9・4×5・8×10・四切の別を記した。
・文 献:著作集や主要著書・報告書への掲載状況を記した。
・ユーザー用メモ:CDの内容をハードディスクにコピーすると、ユーザー側で書き込みできる。
(中村耕作)