柏原覚太郎

かしわばら　かくたろう
明治34（1901）-昭和52（1977）
　洋画家。香川県高松市に生まれる。大正12年（1924）、東京美術学校図画師範科を卒業。昭和2年（1927）に二科展初入選。以後、二科展を中心に活動。昭和12年、二科会会友。昭和16年、二科展で会友賞。昭和17年、二科会会員。昭和7年、渡欧。昭和8年、帰国。戦後は二科会再建に加わらず、昭和20年（1945）に向井潤吉、高井貞二、田辺三重松らと行動美術協会を創設して、以降は同展を中心に活動した。
　代表作は「裸女」（昭和2（1927）　二科展）、「アンコール」（昭和16（1941）　二科展会友賞）などがある。初期には人物画を好んで描いたが、戦後は風景画が多かった。

◇戦争画との関連

　昭和13年、上海派遣軍の要請により、前年の上海事変の記録を残すために、従軍画家として中村研一らとともに上海方面に赴く。昭和14年設立の陸軍美術協会に参加している。
　戦争美術関係の展覧会では、昭和18年の陸軍美術展（第1回）、昭和18年の国民総力決戦美術展、昭和19年の陸軍美術展（第2回）に出品しており、昭和14年の第1回聖戦美術展、昭和16年の第2回聖戦美術展に出品している。また、昭和16年の第1回航空美術展に出品している。

◇参考文献

河北倫明監修　1989『近代日本美術事典』講談社
「戦争画生れよと『陸軍美術協会』―首途に従軍報告展―」『朝日新聞』昭和14年4月16日夕刊2面（針生一郎ほか編　2007『戦争と美術　1937-1945』国書刊行会　所収）