梁川剛一

やながわ　ごういち
明治35（1902）-昭和61（1986）
　挿絵画家。彫刻家。北海道函館市に生まれる。大正12年（1923）、東京美術学校彫刻科に入学して、朝倉文夫に師事する。昭和3年（1928）、首席で卒業。在学中の大正15年、24歳で第7回帝展に彫刻作品「競技」が初入選する。以後、数回入選している。昭和6年、挿絵画家としての活動を始める。昭和9年、第15回帝展に「平和工作の響き」を出品して特選。講談社の雑誌『少年倶楽部』や新聞小説の挿絵を執筆して、人気を得る。講談社の『世界名作全集』の装丁を担当する。昭和12年には講談社の絵本『リンカーン』の挿絵を油絵で描き、大きな反響をよぶ。昭和48年（1973）、児童文芸家協会の児童文化功労賞を受賞する。
　代表作として山中峯太郎「敵中横断三百里」、南洋一郎「密林の王者」「魔海の宝」、江戸川乱歩「怪人二十面相」「少年探偵団」などの挿絵が挙げられる。

◇戦争画との関連

　戦争美術関係の展覧会では、昭和18年の陸軍美術展（第1回）に出品しており、昭和14年の第1回聖戦美術展、昭和17年の第1回大東亜戦争美術展に出品している。

◇参考文献

2004『南洋一郎と挿し絵画家展　鈴木御水・椛島勝一・梁川剛一の挿し絵を中心に』弥生美術館

◇美術館

梁川剛一記念美術館（閉館）（東京都中野区）
函館市立函館博物館（北海道函館市）