厳しい競技の世界

 

                                                                                     スポーツ・身体文化  大森 俊夫

 箱根駅伝出場を大きな目標に、陸上部の指導を続けています。本来ならこの教員随筆で華々しく箱根駅伝出場の報告をと思っていましたが、残念なことに、今年度の本大会出場はなりませんでした。本当に悔しい!!!

 予選会は10月16日、立川の自衛隊飛行場滑走路をスタート地点として市内を回り、昭和記念公園内をゴールとする20kmのコースで行われました。各大学12名が走り、各大学の上位10名のタイムを合計した成績の上位9校までが本大会出場権を得ますが、國學院大學は12位に終わりました。昨年の敗北からこの1年間、チームは箱根駅伝出場を夢に、厳しい練習を続けてきましたが、残念な結果になりました。特に4年生にとっては箱根路を走る最後の機会が失われ、指導者として本当に申し訳なく思っています。

 箱根駅伝は、最近、テレビ視聴率が30%を超える正月の国民的行事となり、全国の優秀なランナーが関東の大学に集まってきます。しかし國學院の選手は高校時代に全国レベルで活躍した選手は少なく、入学後に他大学より厳しい生活、厳しいトレーニングを行うことで力を付け強豪校に挑戦してきました。その結果、過去2回箱根駅伝に出場し、また全日本大学駅伝に1回出場しています。しかし近年、箱根駅伝常連校も新規参入大学も、指導体制や練習環境など全面的な強化をし、大学駅伝全体がますますレベルの高い戦いになってきました。狭い意味での練習面や生活面での努力だけでは厳しい世界であり、もっと大きな意味での協力が得られればと思います。

 出場を逃したとはいえ、箱根駅伝出場に向けて、部員たちが、食事や睡眠など日常生活を厳しく管理する競技者としての基本的な努力、速く走るために肉体を限界まで追い込む朝練習や距離走など挑戦者としての努力、多くの人の支援や協力を得て行った蓼科長期合宿などでの努力などなど、一般の学生生活では経験できないことを数多く体験してきたことは、今後、社会人として生きてゆくうえで、きっと役にたつことでしょう。
 最後になりますが、出場を逃した大学の中から、優秀選手を選抜してチームを構成する「学連選抜チーム」に選ばれている選手が國學院大學にもいます。またそのチームの監督を私が学連から依頼されましたので、大学としては箱根駅伝に出場しませんが、個人的には参加しますので応援していただければ幸いです。

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