データの居場所

 

                                                                                                   自然科学 坂本正徳

  国学院大学でコンピュータ教育の仕事に携わって10年が過ぎた。コンピュータに関する話題を時々世間話的に周りの人とする機会も多い。ここにもそんな話題を。

私は仕事をするときにはコンピュータを使う。コンピュータがなければ仕事にならないような仕事スタイルになってしまった。現在は自宅に1台、渋谷・たまプラーザの研究室にそれぞれ1台ずつ、持ち運び用1台の合計4台を持っている。
 持ち運び用とはいえ、いつもは両キャンパスのどちらかで利用している。実際に持ち運ぶには重かったりかさばったりで通勤時間1時間半の身にはつらいものがある。もちろん、使っていないわけではなく、今のところそのコンピュータが一番新しいので、研究のためにプログラミングなどをしている。

4台のコンピュータを使っていて、考えなければならないのは文書データなどの管理である。渋谷で作成した文書を渋谷のコンピュータに入れておいた場合、たまプラーザで使えない。自宅のコンピュータの場合も同様。場所を割り切って仕事をすればそれでもいいのかもしれないが、そううまくいかない場合がある。いつでもどこでも自分の文書を使えるようにしておきたいものである。ノートパソコンをがんばって持ち歩いていた時期もある。よく使うファイルをネットワークでアクセスできるところにおいていた時期もある。しかし、どれも使い勝手が悪い。

私が持ち運ぶようになったのはハードディスクである。コンピュータに内蔵されているハードディスクもいまやポータブルなものがある。使うときにコンピュータに付ける。この10年間で作った文書データなどは20GB程度。持ち運んでいるハードディスクは40GB。200gで小型なので持っていて重いとか、かさばるとか感じたことはない。非常に快適である。ハードディスクを携帯するようになってまだ1年もたっていない。故障しない限り、しばらくは続けるつもりである。
 10年ものデータを持ち歩く必要はないだろうと思われるかもしれないが、先日、1997年のファイルを急に使うことがあった。文書データをばらばらに管理していたらできなかった作業であった。

数年前にはフロッピーディスク数枚を防磁ケースに入れて持ち歩いていた。先の1997年などはまさにそんなときであった。ついこのあいだなのに、懐かしい。この教員随筆がいつまで掲載されるかわからないが、掲載期限が切れるころには、上に書いたことはあっさりと過去のことになっているかもしれない。文書データを運ぶメディアは何になっているだろうか? そのころに原稿依頼があれば、追記を。

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