図1 表紙 

 『御差物并諸家差物』 

本書は、寛永14(1637)年に出版された『御差(指)物揃』おんさしものそろえといわれる、諸大名の旗を図示した本を写して、色付けしたもの。もとは木版刷りである。

  織田信長から寛永初頃にかけての近世初期大名約130余家の旗差物が掲載されており、本書を見ればどの大名の旗かすぐわかる、いわば早分かり大名旗百科事典である。

<図2>この大名の馬印は、傘に金板をはり、動くと揺れるように作られている。

 <図3>織田信長の旗(拠旗こばた)は、長篠合戦図屏風にも見え、「永楽通宝」をデザインした有名なもの。軍の先頭におく。「御馬印」は信長が乗馬した際に、馬の前に掲げるもの。写真では不鮮明であるが、金色である。

いかにも大名の洒落心がみえて、興味ふかい。

図2

図3

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