熊本県球磨郡水上村市房山神宮一宮神社における神社博物館専門実習・特殊実習実施に向けた事前協議・調査

出張期間:平成21(2009)年12月23日(水)~25日(金)
出張者:青木豊・落合知子・伊藤慎二
用務先:熊本県球磨郡水上村
用務地:市房山神宮一宮神社

 2010年度以降に熊本県球磨郡水上村において実施する専門実習・特殊実習に関連して、市房山神宮一の宮神社において同神社所蔵資料の博物館学的調査を行うために、同神宮禰宜尾形立氏・同権禰宜尾形聖多氏、市房山神宮里宮宮司工藤駿介氏、相良村教育委員会参事出合宏光氏のご教示をいただきながら、事前協議と事前調査を実施した。
 水上村は、九州を代表する清流球磨川の最上流部に位置し、宮崎県・鹿児島県との県境に位置する。そしてその源流部を眼下に県境を挟んで、霊峰市房山がそびえる。市房山神宮は、この市房山を神体として、山中の本宮・山麓の一の宮神社(中宮)・湯前町の里宮(下宮)の3社から構成される。伝承では807(大同2)年に霧島神宮より勧請されて鎮座し、中・近世には人吉市周辺を拠点に球磨郡一帯を治めた相良氏や地元有力者からも市房大権現・一宮権現として手厚く保護され、現在に至るまで多くの崇敬者を集めてきた。そのため、各時代の貴重な関連文化財を多数所蔵している。しかし、神像・仏像類などの一部を除き、これまで所蔵文化財についての十分な調査はほとんど行われておらず、調査と展示施設の整備が長年にわたって地元と神宮関係者の課題になっていた。今回の事前協議では、本学のプログラムと実習の趣旨について詳細にご説明したところ、快くご了解が得られ、今後の全面的なご協力をお約束いただくことができた。今回の協議により、次年度からの実習の円滑な実施に充分な見通しを得ることができた。

 熊本県球磨郡水上村市房山神宮一宮神社1   熊本県球磨郡水上村市房山神宮一宮神社2
    市房山神宮一宮神社          一宮神社境内調査状況

(文責:伊藤慎二)


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