趣旨
近年大学における授業の質の向上は、喫緊の課題として各大学で取り組みが進められている。しかしマルチメディア教材やインターネットの利用方法、メディアリテラシーの向上といった他の授業科目とも共通する課題のほかに、学問領域ごとに固有の課題もあるだろう。宗教文化の授業についていえば、宗教教団の実地踏査の方法や、調査方法、教室で「信仰」を扱うことから起こる問題などが挙げられるだろう。こうした問題への対応は、これまで基本的には教員個人の能力、資質に委ねられてきた。
今後「宗教文化士」資格の導入も視野に入れて考えると、個人の資質に頼るのではなく大学における宗教文化関連授業全体の質を上げていく取り組みが必要になるだろう。とくに経験の浅い若手教員にとっては、直面する問題の解決や情報交換のための場が必要であると考える。
そこで、科学研究費補助金基盤研究(A)「大学における宗教文化教育の実質化を図るシステム構築」(研究代表:星野英紀)プロジェクトの教材開発の一環として、「宗教文化の授業研究会」を立ち上げ、具体的な授業実践の報告や、情報を持ち寄り、分析、研究を進める。そしてその成果を広く公開し、大学における宗教文化関連授業の充実に資することとしたい。
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