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5.大学生のアルバイトの現状

柴 恒一・渡辺 正紘・池田篤志・國分祐聡

5-1.現在のアルバイト(問33)

 まず、問33で「あなたは、現在アルバイトをしていますか」と質問した。この【単純集計】結果は、「している」が74.6%(170人)、「していない」が25.4%であった。大多数の学生がアルバイトをしている結果を得た。このことから、学生の生活基盤にアルバイトは欠かせないことがわかった。
 さらに性別(表5-1)では、男性が75.6%、女性が74.8%でともに70%を超えている。この結果から学生はお金に困っていると思える。
 以下の問34から問41までは問33で「アルバイトをしている」と回答した170人を対象として質問した。

5-2.アルバイトの種類(問34)

 問 34で「あなたがしているアルバイトはなんですか」と質問した【単純集計】の結果は、飲食店が一番多く47.6%であり、ついで販売員が18.8%、サービス業が17.6%、肉体労働が5.9%、その他が5.3%であった。飲食店が一番多い理由は、一人暮らしの学生には心強い味方であろう、‘まかない’であるかと推測できよう。。また、飲食、販売、サービスという三つから、接客業の比率が極めて高いという事がわかった。
 性別では(表5-2)、女性の飲食業は61.3%と男性の飲食業の35.6%の約2倍いっている。その次にサービス業と販売員と続いている。飲食店が多いのは夜バイトする人の合わせやすいようになっているのではないだろうか。

5-3.アルバイトの情報源(問35)

 問 35で「あなたが今やっているアルバイトは何で知りましたか」と質問した【単純集計】は、求人広告が一番多く55.9%であり、ついで友達が20.0%、アルバイト場所に張り出されているチラシが17.6%。その他が5.3%。であった。求人広告は、土日の新聞折込チラシ、出版社から出ている雑誌などが挙げられる。これらの情報誌は簡単に手に入る点が、最上位になった理由だろう。 おもに求人広告が半数を占めておりその次に友達からの紹介が続いている。これはアルバイト情報誌が頻繁に出ておりそれを見て情報を得ているからだと思う。

5-4.アルバイトの決定要因(問36)

 問 36で「アルバイトを決める上で重要な点をどこにおきましたか」と質問した【単純集計】結果は、時給が59.4%と一番多かった。ついで、立地が23.52%。その他が11.2%、将来のために役に立つが4.7%であった。アルバイトは学生の生活基盤であるため、時給が一番多いのも当然であろう。就職情報誌などで、アルバイトは就職活動の良いアピールポイントになりうるとの記事を目にしたことがあった。そのことから、学生が就職に対する不安から、将来の役に立つ アルバイトを選んでいるのかと予想していたのだが、そうでもない結果を得たことが興味深かった。

5-5.アルバイトの勤続(問37)

 問37で「現在のアルバイトはどのぐらいの期間勤続していますか」と質問した【単純集計】結果は、1年以上が49.4%いた。アルバイトのやっている人の半分が同じところで勤続しているということであり、大学に入ってからあんまり変えたくない人がいると考えられ、問41が半々だったことから、辞職意思は、あまり関係無いと考えられる。これは大学2年や3年生はいまさらバイトをやろうと思ってないから今のバイトやろうという考えからきているのではないか。0ヶ月から4ヶ月は大学一年とかが、大学はいってバイトを始めたと思える。

5-6.アルバイトの1日の労働時間(問38)

 学生なので働いている時間もかぎられているが、問38の【単純集計】では、65.3%が4〜6時間だった。問39で夕方が勤務時間帯であるのが54.7%だったので、学校が終わってから働く傾向があるということである。それに短い時間で問36の時給が59.4%の影響もあると考えられる。平日学校に通いながら働くのに適度な長さでありつつ、給料もそこそこ稼ぐことができるバランスの良い時間なのであろう。また、1時間〜3時間と4時間〜6時間で全体の75%以上を占めていることからも、学校帰りなどに働いてから、家に帰るといった形が多くとられているだろうということが想像できるのである。

5-7.アルバイトの勤務時間帯(問39)

 時間帯の【単純集計】結果は、夕方が54.7%いたが、深夜に16.5%もいた。深夜の16.5%は、問36の時給が59.4%もいたのでその影響もあると思われる。それと問34に飲食店とサービス業が多く、その勤務時間にあっていると考えられる。夕方が全体の半数以上を占め、夕方と深夜の時間帯を合わせると、7割を超える数字である。このことは、先ほど述べた、学校が終わってから働くという形が多くとられていることを裏付けている。加えて、アルバイトの種類で多かった飲食店とサービス業を合わせると、全体の7割に近いことも、勤務時間帯が夕方と深夜に固まっていることの要因の1つである。

5-8.一回の勤務の中で休憩時間(問40)

 これは少々意外な結果だった。1日の労働時間で4時間〜6時間が1番多かったので、4時間〜6時間も働けば、最低30分くらいは休憩をもらえるだろう、と単純に考えていた。しかし【単純集計】では、1番多かったのは0分〜15分の41.8%であったので、休憩時間はなかなかもらえないのが現状のようである。アルバイトという雇用形態、立場的なものも関係しているかもしれない。

5-9.アルバイトの辞職意思 、現在のアルバイトを辞めたいと思った理由(問41)

 問41では「現在のアルバイトを辞めたいと思ったことはありますか」と質問した【単純集計】は、バイトを辞めたい思ったことがある人(52.9%)とない人(46.5%)がほぼ半々だった。
 辞めたいと思ったことがあると回答した90人に対して、「現在のアルバイトを辞めたいと思った理由は何ですか」と質問した結果は、人間関係が30.0%で、職場が合わないが28.9%であった。
 性別に見ると(表5-4)、男性、女性ともに現在アルバイトをしている人の半数が、1度は辞めたいと思ったようである。その理由として、やはり「人間関係」、「職場が合わない」というのが多くを占めている。辞めたいと思った理由の1位が、男性は「職場が合わない」が32.0%、女性は「人間関係」が32.5%であった。と同時に、男性も女性とほぼ同数の人が「人間関係」に悩んでいることに驚いた。また、アルバイトの決定要因として時給、立地が人気なことが、「職場が合わない」と悩む人を多くしているとも言えなくもないのである。

Copyright 2004, Ikeda Atsushi, Kokubun Hiroaki, Shiba Kouichi and Watanabe Masahiro

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