6 組織【本書の目次へ戻る】
組織は組織目標に志向しての統制とこれに対する応答行為から構成されるコミュニケーションを構成素とする社会システムであり、ネットワーク型組織は組織を構成するコミュニケーションを遂行する行為主体(従業員や部門)が持つ意思決定の自律性の程度が高く、説得によって統制がなされる組織のこと、ヒエラルキー型組織は組織を構成するコミュニケーションを遂行する行為主体が持つ意思決定の自律性の程度が低く、強制によって統制がなされる組織のことである。ヒエラルキー型組織と比べてネットワーク型組織の方が有効性が高くなるのは、情報社会、ボランティア団体、知識集約的産業、知識集約的部門の場合である(表6−2)。
また、ネットワーク型組織は影響力尺度や課業特性尺度によって操作的定義することができよう。工業デザイン部門などの知識集約的部門を対象として調査データの分析の結果、知識集約的部門はネットワーク化が進んでおり、課業特性の自律性と自発性は能率を媒介として有効性を向上させる間接効果が認められた。
【先頭行へ】【本書の目次へ戻る】【つぎへ】
Copyright by 2000 Ogiso, Michio