5 ネットワーク型社会システム〜社会的ネットワーク【本書の目次へ戻る】【つぎへ】

人間と人間とを結びつけるリンクとなるものがコミュニケーションであり、社会システムはコミュニケーションを構成素とする。ネットワーク型社会システムとは、社会システムの成員が他の成員や社会システム全体に対して意思決定における自律性を持ち、かつ、成員は当該の社会システムに自発的に参加する社会システムのことであり、一方、ヒエラルキー型社会システムとは、成員の意思決定における自律性が欠如している社会システムのことである。そして、ネットワーキングとは、主体的には説得と納得のつながりによる結びつきをつくっていくコミュニケーションによって、社会的ネットワークを形成していくこと、客体的には社会的ネットワークが形成されていく過程のことである。また純粋型としてのネットワーク型社会システムの特徴として、1.参加における自発性、2.意思決定の自律性、3.普遍的な紐帯、4.伸縮的分業、5.プログラム(規則)の柔軟性、6.目標の柔軟性、7.境界の柔軟性、8.情報の共有、9.互酬的報酬の九つがあげられる。
図5−1.jpg ネットワーク型社会システムにおける影響力の方向
図5−2.jpg ヒエラルキー型社会システムにおける影響力の方向
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