4 コミュニケーションとネットワーキング【本書の目次へ戻る】【つぎへ】

 人間と人間とを結びつけるリンクとなるものがコミュニケーションであり、コミュニケーションは、ある人が呼びかけたことに対して、他の人がその呼びかけに応答するという相互行為である。ある人が他の人に対して何かを強制しようとした場合には、他の人はその強制に対して服従し、ある人が他の人に対して何かを説得しようとした場合には、他の人はその説得に対して納得する、というコミュニケーションの連鎖がおきる可能性が高い。説得と納得とのつながりによる結びつきをつくっていくコミュニケーションをネットワーキングと呼ぶ。社会的ネットワークとは、行為主体−*ネットワーク、すなわち、行為主体が結びつけられるもの=ノードであるネットワークの総称である。ネットワーク型社会システムとは、説得−納得型コミュニケーションを構成素とする社会システムのことであり、社会システムの成員が他の成員や社会システム単位体に対して意思決定における自律性を持ち、かつ、成員は当該の社会システムに自発的に参加する社会システムのことである。つまり、ネットワーク型社会システムの構成素がネットワーキングである。


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