國學院大學 平成28年度SYLLABUS

科目名 教員名
ネットワーク型組織 小木曽 道夫

免許・課程

教職課程

高校情報免許

開講詳細

開講キャンパス 開講時期 曜日 時限 開講学年 単位数
渋谷 前期 月曜 7時限 34 2

講義概要

授業のテーマ

組織の有効性を向上させる要因

授業の内容

 本講義では、組織の有効性を向上させる要因についての理解を目的とする。まず、最初に、制度としての組織、組織と個人、組織とコミュニケーション、ネットワーク型組織とヒエラルキー型組織について概説する。つぎに、自己生産(:自己が自己の構成素を生産すること)という視点から、組織のコミュニケーションにおける情報エントロピーが低ければ組織成果(有効性と能率)は高くなる、という変数間関係の理論的根拠となる命題を提示する。なお、日本の企業組織では、会社を家族に喩えたり、定年までの雇用慣行と定年後を含む社会保障を包括して《終身雇用》と偽装するなど、情報エントロピーが高い操縦をしてきたことが、21世紀のブラック企業につなかった。一方、 組織のコミュニケーションにおける情報エントロピーは、予測可能性または理解可能性を高めることによって、低くすることができる。そして、組織環境、公式組織の構造、課業特性、能率、有効性のそれぞれについて、概念定義、操作的定義、変数間関係、変数間関係の理論的根拠について講義する。ネットワーク型組織とは、組織を構成するコミュニケーションを遂行する行為主体(従業員や部門)が持つ意思決定の自律性の程度が高く、説得によって統制がなされる組織のことであり、課業特性の自律性などにより操作的定義される。また、組織の能率は組織成員の組織への満足と貢献意欲によって操作的定義される。そして、ネットワーク型組織は能率を媒介して有効性を向上させる因果関係を明らかにする。

到達目標

組織の有効性を向上させる要因について理解する。

授業計画

第1回 ガイダンス
準備学習 分テキスト全体を通読する。
第2回 はだかの王様、1-1 制度としての組織、1-2 組織と個人、1-3 組織とコミュニケーション
準備学習 分1 組織、および、指示された教材を購読する。
第3回 1-3 組織とコミュニケーション、2-1-5 組織が自己生産するコミュニケーション、1-4 ネットワーク型組織とヒエラルキー型組織
準備学習 分1 組織、および、指示された教材などを購読する。
第4回 2-1-3 オートポイエシスと自己生産、2-2 情報プロセシングと情報プロデュース
準備学習 分2-1-3 オートポイエシスと自己生産、および、2-2 情報プロセシングと情報プロデュース」を購読する。
第5回 2-3 構造自己生産と情報エントロピーの減少
準備学習 分2-3 構造自己生産と情報エントロピーの減少、および、指示された教材を購読する。
第6回 3 組織環境、4-1 官僚制と情報プロセシング、4-2 公式組織の次元的方法による操作的定義、
準備学習 分3 組織環境、4-1 官僚制と情報プロセシング、4-2 公式組織の次元的方法による操作的定義を購読する。
第7回 4-4 公式構造の内部相関、4-5 公式組織の説明
準備学習 分4-3 影響力の分布、4-4 公式構造の内部相関、4-5 公式組織の説明、および、指示された教材を購読する。
第8回 4-6 官僚制の限界、5 課業特性
準備学習 分4-6 官僚制の限界、5 課業特性、を購読する。
第9回 6-1 能率と非公式構造、6-2 能率の内部相関
準備学習 分6-1 能率と非公式構造、6-2 能率の内部相関、を購読する。
第10回 6-3 能率の説明
準備学習 分6-3 能率の説明、および、指示された教材を購読する。
第11回 7-1 有効性の定義、7-2 環境と構造との交互作用効果による有効性の説明、7-3 課業特性または創発的構造による有効性の説明
準備学習 分7-1 有効性の定義、7-2 環境と構造との交互作用効果による有効性の説明、7-3 課業特性または創発的構造による有効性の説明、を購読する。
第12回 7-4 能率による有効性の説明
準備学習 分7-4 能率による有効性の説明、を購読する。
第13回 7-4-4 能率と有効性との縦断的分析
準備学習 分7-4-4 能率と有効性との縦断的分析、および、指示された教材を購読する。
第14回 7-4-5 有効性を説明する因果関係
準備学習 分7-4-5 有効性を説明する因果関係、および、指示された教材を購読する。
第15回 有効性の説明と自己生産
準備学習 分テキスト全体を復読する。
授業計画の説明授業計画中の「1-2-3」といった連番は、テキストの章構成の連番である。
授業時間外の学習方法授業計画の各回の準備学習時間は、テキストなどの文献購読にかかる時間の個人差を度外視して一律270分とした。また、当該授業回以前であれば、いつ準備学習を行っても構わない。
受講に関するアドバイスすでに教えた概念定義、操作的定義および調査・統計用語について理解していないと、授業についていけなくなるため注意すること。
担当教員の許可が無い限り、投影教材の撮影を禁止する。
科目担当者からのKEANのアドレス宛のメールを見落とさないこと。

成績評価の方法・基準

評価方法 割合 評価基準
期間内試験 100% 期末試験は、穴埋め問題と論述問題から構成され、講義内容の理解度とうち論述問題では論理的表現力を評価する。
注意事項 期末試験での披見可は、教科書、ノート、K-SMAPYにアップロードした教材、参考文献で、披見不可は投影教材を撮影した画像。

※履修している学生に対して事前に説明があった上で、変更される場合があります。

教科書・参考文献等

教科書

小木曽道夫『自己生産する組織〜組織の環境、公式構造、課業特性、能率、および有効性の関係』夢窓庵(※授業計画中の連番は教科書の章-節-項)

参考文献

書名 著者名 出版社 備考
組織の自己革新〜知識集約的部門の現場から 小木曽道夫 夢窓庵 ISBN4-944088-06-X C3036

参考文献コメント

指標などについての教材はK-SMAPYの教材にアップロードする

オフィスアワー

月曜日 12:00〜12:50 814研究室

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