佐藤駿仁くんの文章
はやと君は、現在、小学校1年生です。人工呼吸器など、密度の濃い医療が必要なため、生まれてからずっと、病院ですごしてきました。骨の形成にかかわる病気で、自由に体を動かせるのは、首や口だけです。あごや頬でスイッチを操作して、2スイッチワープロで文章を綴っています。私が最初に訪問したのは、2003年の冬のことです。８月生まれのはやと君は当時３歳。５０音を覚えてもらうために、できるだけ彼の知っている単語を使った絵カードのソフトを作って、文字の勉強を始めました。そして、２００４年２月からワープロに挑戦しました。３歳半の時のことです。そして、２ヶ月後の４月、ついに自分で言葉を綴るようになりました。私が出会ってきたお子さんの中で、もっとも早い時期からワープロを使っていることになります。
優しいお父さんやお母さんはもちろんのこと、お母さんのような主治医の先生やお姉さんのような看護師さんたちに囲まれて、過ごしてきました。
そして、２００７年の４月、養護学校に入学し、訪問教育を受けるようになりました。週に３回、学校の先生が楽器や本をいっぱいかかえて彼のためだけにやってきてくれます。世界が一気に広がりました。
文章は、どうしても最後がとぎれてしまったり、意味がうまく通じない文章になったりすることがあります。体力的に持たないことが多いからです。それでも、毎回、一生懸命に文章を綴っています。
すごいぞはやと
（2004年2月16日）
おれはやと
（2004年3月5日）
はやとさとうままたけだせんせいすきおれかんごふさんらじおつけてぱぱあそんでま
（2004年3月25日）
（以上はいっしょに書いたもの）