□日時:平成18年1月29日(日) 9時45分~17時00分
□場所:國學院大學渋谷キャンパス120周年記念2号館2203教室
□研究集会の目的及び趣旨
國學院大學21世紀COE プログラム「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」の第Ⅱグループ「神道・日本文化の形成と発展に関する調査研究」においては、今年度、中世の神仏関係に焦点を当てた研究会として、5月28日に「神仏関係論の再検討」、12月2・3日に総合シンポジウム「神道の形成発展―異文化・仏教との関わりを中心に―」を行ない、史料と実践との関係の議論を深めてきた。近世に関しては幕府の寺社政策に深い関係のある日光東照宮に注目し、「近世日光の祭祀と儀礼」研究会を5月22日に行った。また、これらの成果を広く学界に問いかけるために、6月12日の「宗教と社会」学会学術大会では中世から近代までの「神道の実践の場」を対象としたテーマセッション「神仏関係の歴史的実像―資料から見た信仰の場と組織―」の主催や、9月9・10日の日本宗教学会におけるテーマパネル「近世における神道家の思想と実践」および「近代日本における神道と仏教―「国家神道」再考―」に若手研究者が中心となって参加し、中世から近代における神道の歴史的展開に関する実証的研究の推進を図ってきた。
今回の研究集会はこれら17年度の第Ⅱグループの活動を踏まえ、特に12月の総合シンポジウムで中世神道研究の深化が図られたことに続いて、中世後期から近世、および近世から近代にかけて、それぞれの時代の移行期の中で、神道がどのように持続し、または変容していったのかについての議論を展開したい。近年では、中世・近世・近代と、時代ごとに研究の展開は見られているが、時代を跨いでの専門家による相互議論の不足や、神道学・歴史学・宗教学といった学問領域間の認識が共有されていないなどの問題が、これまでの國學院大學COEによって行われてきた研究会・シンポジウム等によって深められており、今回は時代ごとの「架橋」に重点を置きたい。中世から見通せる近世、近世から見た近代、もしくは近代から見た中世・近世の「神道」を議論することによって、歴史の中における「神道」の実像に少しでも迫ることが可能となるであろう。
具体的な進行としては、第1部では中世から近世までの神道・神社を検討する際に不可欠な吉田・白川の執奏家の制度・思想・地域編成にかかわる諸問題を中心に取り上げる。第2部では近世から近代への持続・変容のあり方を近代神祇制度の成立や、学術的な言説再編成、神社における祭祀実践などの観点からの発題を行う。そして最後にディスカッサントも加えて討議し、中世から近代にかけての「神道」研究の今後の方向性を提示することとしたい。
□発題者
岡田莊司(事業推進担当者)
井上智勝(大阪歴史博物館学芸員)
幡鎌一弘(天理大学おやさと研究所研究員)
武田秀章(事業推進担当者)
磯前順一(日本女子大学助教授)
星野光樹(COE研究員)
□ディスカッサント
古相正美(中村学園大学教授)
西岡和彦(事業推進協力者)
□司会
松本久史(日本文化研究所助手・COE事務局)
遠藤 潤(事業推進協力者)
□総合司会
阪本是丸(事業推進担当者・COE事務局)
□タイムスケジュール
9:45-10:00 開会の辞、趣旨説明
(第1部)
10:00-10:40 発題1 岡田莊司 「吉田神道の中世から近世への展開」
10:40-11:20 発題2 井上智勝 「吉田家の近世本所化と在地神社」
11:20-12:00 発題3 幡鎌一弘 「白川家の経験―近世神道執奏家の宗教活動―」
12:00-13:00 休憩
(第2部)
13:00-13:40 発題4 武田秀章 「明治維新と神祇政策」
13:40-14:20 発題5 磯前順一 「近代神道言説の編成と神道学」
14:20-15:00 発題6 星野光樹 「近代的神社祭祀の成立について」
15:00-15:15 休憩
15:15-16:55 総合討論
17:00 閉会
□参加自由、無料ですが、参加希望の旨をこちらまでご連絡下さい。