神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成 Kokugakuin University
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ホーム >> 國學院大学21世紀COEプログラムの事業運営について >> 2 研究計画の概要
4 研究拠点形成実施計画 
公開日: 2003/5/25
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 神道と日本文化の国学的研究発信のための本拠点を形成するに際し、世界最高水準の「日本文化の総合的研究と発信のための世界的研究教育センター」としての大学の形成・構築をめざす「21世紀計画」との関係を踏まえて、以下のような、大別して二つのプロジェクトの実施計画を策定している。

I (1)神道・日本文化の情報発信と現状の研究

 一つは、これまでに集積した神道や神道関連の日本文化に関する内外の研究成果及び本拠点研究遂行中の成果を、内外の神道・日本文化研究者に広く発信してその利用・研究促進を図ることである。

 具体的には、これまでの研究成果の蓄積と新たな研究成果を基にして、学術情報のデータベース化を行い、神道関係文献の英訳・オンライン公開化を進める。研究所ではすでに、神道に関する英文情報をインターネットを通じてオンラインで公開するためのハード面及びソフト面の双方のシステムを確立している。今後は神道に関する最も基本的で包括的な『神道事典』(日本文化研究所編、平成6年)の英文化と、オンラインでの公開を進めていく。この作業に関しては、カリフォルニア大学バークレー校神道研究センターとの共同作業で実施することが決定されている。

 研究所が現在公開している神道に関する英文情報に関しては、諸外国から年間1万数千件を超えるアクセスがある。また、研究所のホームページは、アメリカのスタンフォード大学やコロンビア大学、イギリスのソーシャル・サイエンス・インフォメーション・ゲートウェイ、オランダのライデン大学をはじめ、多くの大学、研究所にリンク登録されている。今後神道に関する英文情報の発信は、本拠点を中心に、全世界的に浸透していくことが期待できる。

 併せて日本文化の重要な要素である神道や伝統宗教の現代的意義等に関する調査・研究を同時並行的に実施する。極めてアップトゥーデートな研究推進プロジェクトである。神道の起源を巡る縄文文化との関係、そしてその歴史的展開過程のみならず、神道・基層文化は現代日本社会においても、脈々とその命脈を保っている。それらは実生活における年中行事や通過儀礼として、あるいは神道系の宗教団体として、さらにはメディアの中で情報として存在している。こうした宗教的要素の現状分析を、神道系の宗教団体に関する網羅的なデータベースの作成と、世論調査を利用した日本人の宗教性に関する調査等によって行う。

II (2)基層文化としての神道・日本文化に関する調査研究

 もう一つは、神道の起源・本質や独自性と普遍性、あるいはその文化的機能等を神道学・宗教学・歴史学・文学・民俗学・考古学等の学問分野から明らかにすることによって、神道が日本文化の基層文化・基層信仰として多様で複合的な日本文化の形成・発展、維持等にいかなる影響・機能を有して現在に至っているのかについて解明する研究プロジェクトである。とくに、多様で複合的な神道・日本文化の諸相の起源とその歴史的展開・意義を解明するために、日本の基層文化のアジア史的解明に関する調査研究を実施する。

 日本の基層文化を形成したのは狩猟漁撈採集民の文化としての縄文文化と、稲作農耕民の文化としての弥生文化である。大陸文化が弥生文化の成立と展開に大きく関係していることは自明であるが、日本独自の文化とされる縄文文化の形成にも東アジア特にシベリアの初期新石器時代文化が大きく関わっている。日本の基層文化である縄文文化と弥生文化の形成と展開と大陸文化の関係、縄文文化と神道の起源をめぐる問題を東アジアの諸文化との対比の中で明らかにする。具体的には、ロシア・シベリアでの発掘調査を中心に中国、韓国と比較検討する。

III (3)神道・日本文化の形成と発展に関する調査研究、アジアの諸文化との比較

 (1)(2)のような神道の起源と関わる調査研究と、極めてアップトゥーデートな研究推進プロジェクトとの間を埋めるべく、多様な調査研究が開始される。弥生文化と神道・日本文化との関わりについては、東南アジアを含めた東アジアにおける日本の初期稲作農耕文化の普遍性と特殊性を明らかするための調査研究を実施する。これを基礎として、その後の日本における民俗文化としての稲作農耕儀礼の変遷と展開過程を中心に調査研究を行う。日本儀礼文化と異文化間交流研究として、日本文化の一大要素である儀礼文化・宗教文化を重視し、古代から近代までの日本文化形成と東アジアとの異文化間交流研究の拠点を形成する。

 また(1)(2)のプロジェクトを中心とした各研究の有機的連携によって、インターネットを駆使した神道と日本文化に関する国際的な研究教育ネットワークの構築を進め、その中間的成果を可及的速やかに発信することによって、当該研究をさらに進展させていくという研究方法を採用することになっている。こうした研究計画・方法によって、本拠点は予め設定された研究目標に、より緻密に到達することが可能となるのである。

 
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