神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成 Kokugakuin University
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ホーム >> 國學院大学21世紀COEプログラムの事業運営について >> 2 研究計画の概要
6 教育実施計画 
公開日: 2003/5/25
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I 本拠点形成に際しての教育計画の基本的理念

 本拠点の形成を担う大学院及び研究所には、本学の建学の精神である神道を中心とする日本文化研究における卓越した「課題探求能力」を育成し、自ら当該課題を探求して自立した専門的研究が遂行できる若手研究者の教育・養成に取り組むための効果的な教育システムの構築が求められていることはいうまでもない。本拠点は、これまでにもたびたび触れてきたように、大学院博士課程の各専攻と研究所が各々の特色と実績を活かしつつ、協同・連携して基層文化である神道をはじめとする多様な日本文化を専門的かつ学際的に研究し、その研究によって豊かな文化的創造活動に寄与することを目的としている。すなわち、単に研究のための研究ではない、研究そのもの及びその成果が広く社会に還元されるような研究を行える研究者の育成こそが本拠点の教育構想の基本であり、これが本拠点の特色とする国学的研究教育方法の理念である。本拠点はこの理念を基本として、以下に記すような教育関係の取り組み計画を検討し、可能なものから早急に実施していく予定である。

II 「課題探求能力」をさらに向上させる大学院の教育システム

 本学大学院が設置された当初の理念・目的を端的にいえば、「神道精神に基づいた高度な研究による若手研究者育成」ということに尽きる。大学院文学研究科を構成する神道学・日本文学・日本史学の担当教員の多くがこの「神道精神」による大学院教育を実践した。文学の武田祐吉教授は「神典研究」、折口信夫教授は「理論神道学特殊研究」、考古学の大場磐雄教授は「実践神道学特殊研究(神道考古学)」など神道学専攻の科目を担当し、幅広い日本文化に関する知識・教養を有した優れた神道プロパーの若手研究者を輩出させた。こうした設置当時の理念及びその実績を今日に活かし、関連・隣接分野の教員による授業科目を設定することは本学大学院設置の理念にも合致する。具体的には学生の「課題探求能力」を一層向上させて主専攻の研究を刺激・促進するために、「本拠点」の形成にふさわしい科目を各専攻から供出し、複数の体系的な副専攻的領域科目群である「共通領域科目」を博士課程に導入することを予定している。この「共通領域科目」制度はすでに本学の学部教育で導入されており、学部教育との連携の点でも大いに教育的効果が期待できる。

III 大学院と研究所との連携による若手研究者の育成システム

 日本文化を精緻かつ総合的に研究し、私立大学文科系附置研究所として日本有数の伝統と実績を誇る研究所は、伝統的に本学大学院出身者のみならず多くの他大学の大学院出身の若手研究者を任期付きの兼任講師・調査員・共同研究員等として受け入れ、プロジェクト研究等に参加させて実践的な共同研究の経験を積ませてきた。こうした研究所の制度により、神道学・宗教学や日本文学・日本史学などの各分野に自立した高度な研究能力を有した多くの若手研究者が養成・輩出された。現在、研究所では本学大学院で博士を授与され、大学院に所属して特別研究員の身分にある若手研究者を共同研究員として採用するという制度がある。今後、この制度をさらに整備・拡充して、研究所での様々な研究に大学院博士課程の教員・学生が参画して、教員も研究上の刺激を受け、また指導学生も実践的な共同研究に従事する過程でより一層の「課題探求能力」が自ら開発・促進でき、またそれを「課程博士取得」に必要な単位として認定するなどの制度も構想・計画しているところである。

IV 博士課程学生・若手研究者への教育支援体制の充実・強化計画

 本拠点を将来的に形成・維持するためには自立心・自律心に富み、本拠点の学術的社会的意義を十分理解した優秀な学生・若手研究者の確保・養成を促進する仕組みが必要不可欠である。本学大学院でもこの点に鑑み、ティーチングアシスタント制度やリサーチアシスタント制度、あるいは大学院特別研究員制度などをすでに導入しているが、いまだ不十分である。また学生の研究生活支援のため、種々の奨学金制度や学費減免制度なども設けているが、これまた十分とはいえないのが現状である。こうした学生・若手研究者に対する研究面及び生活面での支援を一層強化するため、これまでの種々の支援制度を有機的に統合した総合的な研究教育上の支援計画を策定中である。

V 学部・大学院・研究所の一貫した教育体制の構築計画

 本学は平成14年度から、神道を中心とする日本の宗教的文化を研究教授する日本唯一の神道文化学部を設置した。これは「21世紀計画」の第一弾で、本学の建学精神の学部レベルでの具現化である。神道文化学部は、文学・法学・経済学の各学部学生にも広く神道文化・宗教文化を学ぶ機会を提供する「共通領域科目」を設置した。これにより、神道文化学部をはじめ、他の学部学生も広く神道文化・宗教文化を学ぶことができるようになった。これを契機に、学部段階から「本拠点」を形成しうる教育を行うための一貫した学部・大学院・研究所の教育カリキュラムを計画している。

 
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