ホーム >> COEプログラム事業の遂行と成果について >> a. 調査 >> グループ2「神道・日本文化の形成と発展の研究」 第4回「出雲地域における神社の資料論的研究」に関する調査 | |||
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1.調査テーマ:出雲地域の神社の景観ならびに史料調査 ほか 2.調査日:平成18(2006)年2月10日 (金) 〜12日(日) 3.調査地: 美保神社(島根県松江市美保関町) 神魂神社(島根県松江市大庭町) 出雲大社(島根県出雲市大社町) 島根県立博物館(島根県松江市殿町) 八雲立つ風土記の丘資料館(島根県松江市大庭町) 4.調査参加者:新井大祐(COE研究員) 5.調査目的: 「出雲地域における神社の資料論的研究」では、地域における神社の機能を解明することを目的として、これまで特に島根県出雲市大社町日御碕鎮座の日御碕神社に視座を据え、同社、および同社宮司家に伝来する文書の調査・研究につとめてきた。 一方、今回調査を行った美保神社は、出雲大社や日御碕神社と並んで、古くより出雲地域において重要視された神社である。日本海に面する岬に位置し、海と関わる神事などを伝えるとともに、神祇伯白川家との深い繋がりを持つ点など、地理的な条件や、伝来する文書・神事など、日御碕神社との類似性は高い。 したがって、本調査は、今後、より多角的に出雲地域における神社の機能や社寺間の関係などの比較研究を進めるための準備調査として行った。 さらに、今後の事業推進を円滑に進めるためには当該地域の研究教育機関との協力・提携も重要な課題の一つであり、県関係者や現地研究者とのこれまでの研究成果の相互報告などを行うことも目的とした。 6.調査概要 10日は美保神社において、日御碕神社との比較資料収集を目的に、とくに社殿の配置や様式、あるいは近隣の摂末社の位置関係など地理的観点からの調査を行うとともに、同社所蔵の文書類の調査を実施した。 美保神社(二の鳥居) 美保神社(拝殿) 若宮社(境内社) 糺大明神(境外社) 次いで、11日は島根県立博物館において、県教育庁の職員と、相互の研究成果報告を行い、また、平成18年度に開館が予定されている「古代出雲歴史博物館」の概要などについてのご教示をいただき、今後の研究協力等について話し合った。 その後、島根県立八雲立つ風土記の丘資料館へと移動し、出土遺物とともにミニ企画展「出雲の狛犬」などを視察した。 さらに、同館近隣に鎮座する神魂神社(かもすじんじゃ)を訪れ、境内の調査を行った。 神魂神社 12日は、出雲大社に赴いた。第2回調査(平成16(2004)年11月22日〜26日実施)においても出雲大社の調査を行ったが、今回はさらに詳細に摂末社等の種類や位置関係などの調査を実施した。 出雲大社教祖霊社 7.成果と課題: これまで本研究事業では、日御碕神社に視座を据えて調査・研究を行ってきたが、「5.調査目的」でも述べたとおり、今後はより広い視野をもって、出雲地域の神社を中心とする宗教文化の考察をすすめ、その成果をもって比較研究を行う必要がある。そのための準備調査として行われた今回の調査では、とくに同地域の神社の地理的な問題に重きを置いたが、その結果、文書・文献などとは異なる、景観論や各神社の伝える祭礼・行事といった観点をも視野に入れた研究を進める必要性を確認することができたとともに、予備的ではあるが、比較研究の材料となる資料を収集することができた。 なお、本調査は、本学日本文化研究所におけるCOE連携総合研究プロジェクト「神道と国学の歴史に関する資料的研究」と共同で行ったものである。 最後に、お忙しい中、種々ご教示を賜った美保神社宮司・横山直材氏、ならびに島根県教育庁古代文化センター主査・松本岩雄氏、主任研究員・浅沼政誌氏、岡 宏三氏、錦田剛志氏に御礼申し上げる。 文責:新井大祐(COE研究員) |
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