ホーム >> COEプログラム事業の遂行と成果について >> a. 調査 >> グループ2「神道・日本文化の形成と発展の研究」 第5回「出雲地域における神社の資料論的研究」に関する調査 | |||
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1.調査テーマ:日御碕神社、ならびに同社宮司家小野家所蔵の文書調査 ※なお「国学者データベース」作成事業に係る調査もあわせて行った。 2.調査日:平成18(2006)年8月21日 (月)〜25日(金) 3.調査地:日御碕神社(島根県出雲市大社町日御碕) 国学者関係墓所(島根県出雲市・松江市内各所) 4.調査参加者: 三橋 健(事業推進担当者) 松本久史(日本文化研究所講師・COE事務局) 新井大祐(研究開発推進センター助手・COE事務局) 星野光樹(21世紀研究教育計画ポスドク研究員・事業推進協力者) 菊地晋介(大学院文学研究科神道学専攻博士課程後期) 大東敬明(COE奨励研究員・大学院文学研究科神道学専攻博士課程後期) 青木抄苗(大学院文学研究科神道学専攻博士課程前期) 吉永博彰(大学院文学研究科神道学専攻博士課程前期) ※この他、上野 力(大学院文学研究科神道学専攻博士課程後期)が、平成18年度院友神職会研究費奨学資金により、個人の研究にかかる調査のため同行した。 5.調査目的: 今回の調査では、これまでの調査、とくに平成17年11月に行った調査によって新たに見出された、従来の調査目録等にみられない、新出の古文書類の調査・撮影ならびに書誌情報収集につとめることとした。 また、星野光樹21世紀研究教育計画ポスドク研究員は、現在、阪本是丸教授・武田秀章教授が事業推進担当者となって推進している「神道・日本文化の国学的研究」における「国学者データベース」作成事業の支援を行っており、同事業に係る調査も合わせて遂行することとなった。 6.調査概要 6−1日御碕神社における調査 「5.調査目的」に述べたとおり、これまでに書誌情報や写真が未収集となっている新出文書類の調査・撮影につとめた。 調査・撮影の様子 また、あわせて近辺に鎮座する、同社宮司家・小野家の祖神である天葺根命を祀る「林神社」や、近世期に日御碕神社と密接な関わりにあった「神宮寺」の調査を行った。 6−2「国学者データベース」作成事業に係る調査 現在、「国学者データベース」の作業として、国学者の没地について、所在の調査をすすめているが、とくに国学者の墓碑については碑文の資料的価値に鑑み、現地において撮影による画像データの蒐集も行っている。今回は、出雲市・松江市内の国学者の墓碑について、以下のとおり調査を行った。 ・小野家墓所(島根県出雲市大社町日御碕):小野尊光、日置彦雄 ・松林寺御墓所(島根県出雲市大社町杵築東):千家尊福、千家尊澄、千家尊紀、千家尊之、千家尊孫、北島斉孝、北島全孝 ・松源寺墓地(島根県出雲市大社町杵築東):千家尊愛、千家俊信、千家尊晴、千家俊栄、千家尊朝、千家尊昌、千家富美子、千家俊清 ・神光寺墓地(島根県出雲市大社町杵築南):島多豆夫、北島昌孝、北島勝孝 ・佐太神社(島根県松江市鹿島町佐陀宮内):朝山嘉基、朝山嘉伯、朝山嘉孝、朝山嘉寛 ・奥谷町神葬墓地(松江市奥谷町):中村守手 7.成果と課題: これまで行ってきた調査および今回の調査により、日御碕神社の歴史的展開を考究する上で必要となる資料のほとんどを収集することができた。その中には、従来刊行されている古文書目録や各種地史等にも紹介されていない、近世期における同社と白川家および同家学頭・臼井家との関わりを示す伝授関係書や絵図類を多数含む資料が多分に含まれている。 今後は、これら新出文書を含めた収集資料の目録の作成および公開や、それらのさらなる分析につとめる。 また、「国学者データベース」作成事業に係る墓碑の調査においては、出雲大社・日御碕社・佐太神社の神主を中心とする国学者の墓碑について、その所在を把握し、多くの碑文資料を収集することができた。それらの多くは文献で確認されておらず、国学者の履歴に関する新しい発見もあった。地方で活躍した国学者の実態を把握するうえでは、文献資料だけではなく、これら碑文資料を対象とした調査が必要であろう。(なお、これら成果の一端については、近日中にweb上での公開を予定している。) 最後に、これまで数年間に亘り、多大なご協力を賜った日御碕神社・小野高慶宮司はじめ神社関係者の方々、ならびに今回、墓碑の調査に際してご協力いただいた佐太神社・朝山芳国宮司はじめ神社関係者の方々に心より御礼申し上げる。 文責:新井大祐(研究開発推進センター助手・COE事務局) 星野光樹(21世紀研究教育計画ポスドク研究員・事業推進協力者) |
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