神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成 Kokugakuin University
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ホーム >> 國學院大学21世紀COEプログラムの事業運営について >> 2 研究計画の概要
3 拠点形成の目的・必要性 
公開日: 2003/5/21
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I 本学の将来構想と本拠点の関係および特色

 本学は神道を建学の精神とする異色の大学として、あるいは「国史・国文の國學院」として、創立以来120年の間、一貫して神道を中心とする日本文化を主に神道学・文学・史学の立場から研究・教育してきた。今般、本学は建学の精神、理念・目的をより一層闡明・明確化し、本学の研究教育上における「個性・独自性と普遍性」を将来にわたって強固なものとするための将来構想「國學院大學21世紀研究教育計画」(以下「21世紀計画」という。)を策定、今回申請する「神道と日本文化の国学的研究発信の拠点形成」(以下、「本拠点」という。)はその中核を担う研究計画として策定されたものである。

 本拠点の大きな特色は、本学の学問・研究教育の基盤であり、400年の伝統を有する国学的研究教育理念・方法を現代に適用して、神道を中心とする多様で複合的な日本文化について、神道学・宗教学をはじめ、史学・文学・民俗学・考古学等の分野で豊富な研究教育実績を有する本学大学院文学研究科(神道学・日本文学・日本史学の3専攻)と、神道を中心とする日本文化に関する共同研究に豊富な経験と実績を有する日本文化研究所(以下、「研究所」という。)との組み合わせによる有機的組織的な日本の基層文化研究とその成果発信のための研究拠点形成を目指すことにある。

 ここでいう国学的理念・研究教育方法とは、日本の基層文化(神道)とは何かについての探求を通して、縄文文化以来現代に至るまでの多彩な日本文化の起源とその歴史的展開や意義を解明すると共に、その文化を現代及び将来にわたって維持・継承し、日本人が有している文化的創造力を不断に発展させ、もって人類文化の進展に寄与しうる研究とそれを担う有為な若手研究者を教育・養成する方法である。近世以来、国学の学問的使命は、この日本列島に息づいた多様な生活から生まれた文化を文献学的に考証するだけでなく、その文化を当代に生かす教育もしてきた。明治時代の西洋文化の滔滔たる移入で顧みられなかった日本の伝統文化を研究し、現代に維持・継承させた学問は国学であった。本拠点は、この国学の伝統を継承・発展させる唯一の研究教育拠点の形成という大きな意義と特色を持っている。

II 本拠点の目的・必要性

 本学の大学院文学研究科を構成する神道学・日本文学・日本史学の3専攻が有している個別の高度な研究教育機能と研究所が持つ組織的かつ高度な共同研究及び広く国内・海外に網羅した情報発信機能を組み合わせることによって、神道を中心とする日本文化研究の世界的研究拠点を形成していく。

 本拠点の目的は、日本の基層文化としての神道を専門的かつ国際的に研究し、その成果を内外に発信することによって本学の研究教育機能の質的向上と活性化を図ることはもちろん、2001年に開催された大英博物館での「神道展」でも国際的に注目を集めた神道の起源を巡る縄文文化との関係をはじめとして、神道の起源・本質やその歴史的現実的機能等についての高度な研究を遂行すると共に、中間報告をも含めた研究成果等の情報を海外の研究者等に提供することによって、神道や日本文化の独自性と普遍性を明らかにする研究をより一層促進することにある。

 近代以降、欧米での神道に関連する日本文化研究は古事記など古典を主とするものであったが、今日ではハーバード大学、ロンドン大学等の世界的な有力大学で神道を多方面から研究するようになってきている。また、中国、韓国などのアジア諸国でも神道に関する文化的歴史的関心が高まってきており、研究者も増加しつつある。しかし、神道に関連する学術情報の不足等から研究はさほど進展していないのが実情である。こうしたことからも、神道研究を中核とする本拠点の形成は国際的にも必要とされているのである。

III 期待される成果と学術的社会的意義等について

 このように、神道研究は国内外で活発化の傾向にあるが、多様で複合的な日本文化の独自性ばかりではなく、世界に通用する普遍性を日本文化は有していることを基層文化としての神道の研究を通して明らかにすることが本拠点に期待されている研究成果である。今や地球的規模の課題となっている「人と自然の共生」の原点を神道に見い出し、縄文文化以来の基層文化である神道を対象とする研究が内外でもより一層活発化することが予想される。こうしたグローバルな観点からの日本の神道や日本文化への関心や研究に対し学術的に応えると共に、神道の持つ「主体性を保持した寛容性と謙虚さ」(文部科学大臣認可平成14年設置・本学「神道文化学部」の「設置認可申請書」文言)は本学および本拠点形成の理念であり、多様な国内的国際的交流を経て形成された日本文化の基盤でもある。このことを研究を通して国際的に発信することは、日本の国際的文化貢献策の大きな柱ともなるのであり、本拠点の研究には学術的のみならず社会的・国際的にも大きな意義があるのである。

 
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