日本軍では、将校や騎兵・砲兵・輜重兵など乗馬を本分とする下士官兵は、革製拍車つきの長靴をはいた。下士官兵の長靴は官給品のため、材料も色も決められた規格品であった。一方、将校の長靴は私物であり、黒または茶の革製と定められてはいたものの、あとは各人の裁量や好みに任せられていた。そのため、なかには筒の部分に柔らかい高級ななめし革を使う者もあった。