「めんこい子だの。《590字空き》西目さ米でも持って行け」
①「めんこい子だの。これで学校さ行ってくれれば、もっとめんこい子なんどもの」
    「おら学校〔はい〕さ行きたくねえ」
    「行きたくねえたて、勉強せねば〔□〕ばさまみてえに文字なしになるこったば、嫁にも行けねえでねえか」
    「嫁には行かねえ、あねまさなる」
    「文字なしだば、あねまにもなんねえで。とにかく、学校さは行くもんだ」
     むろん、じさまは〔□〕早くサキに出て行か〔け〕せたい。そんな思いがじさまに機嫌取りをさせるのですが、それがなおサキを立とうとさせなくするのです。
    「〔学校さ□〕学校さ行かねえで〔□〕も、おら西目に習う」
    「西目に?」
    「ンだ。〔学校さ行っても、だんだ消させるは〕西目は〔□〕教えてくれるんども、学校だばたんだ墨で消させるばかりだ せ  」
    「墨で消させるばかり?」
     じさまが驚いて問い返すと、サキは得意げに教科書を取り出してみせました。成程、至るところが墨黒々と、筆で消されてい〔る〕るのです。
    「こうッ。〔□〕こげだことして、なんするつもりなんでろ〔。〕」
     サキはますます得意げに、
    「ンでろ」
    「ンだの。〔し〔だ〕たば、〕西目〔はこれなんという□たもんたもこれ知っと〕にこれ見せた〔ん〕だか」
    「見せた、見せた」
    「したば、西目はなんと言うただか」
    「いまになにもかも変わると思うたんども、いよいよ変わって来た〔と言うもんだけ」〕。その音が聞こえるというもんだけ」
    「音が聞こえる? そこさ〔魚が〕米があんでろ。西目さ持って行け〔。〕」
③「めんこい子だの。これで学校さ行ってくれれば、もっとめんこい子なんどもの」
    「おら学校〔はい〕さ行きたくねえ」
    「行きたくねえたて、勉強せねば〔□〕ばさまみてえに文字なしになるこったば、嫁にも行けねえでねえか」
    「嫁には行かねえ、あねまさなる」
    「文字なしだば、あねまにもなんねえで。とにかく、学校さは行くもんだ」
     むろん、じさまは〔□〕早くサキに出て行か〔け〕せたい。そんな思いがじさまに機嫌取りをさせるのですが、それがなおサキを立とうとさせなくするのです。
    「〔学校さ□〕学校さ行かねえで〔□〕も、おら西目に習う」
    「西目に?」
    「ンだ。〔学校さ行っても、だんだ消させるは〕西目は〔□〕教えてくれるんども、学校だばたんだ墨で消させるばかりだ〔せ〕ぜ」
    「墨で消させるばかり?」
     じさまが驚いて問い返すと、サキは得意げに教科書を取り出してみせました。成程、至るところが墨黒々と、筆で消されてい〔る〕るのです。
    「こうッ。〔□〕こげだことして、なんするつもりなんでろ〔。〕」
     サキはますます得意げに、
    「ンでろ」
    「ンだの。〔し〔だ〕たば、〕西目〔はこれなんという〔□〕たもんたもこれ知っと〕にこれ見せた〔ん〕だか」
    「見せた、見せた」
    「したば、西目はなんと言うただか」
    「いまになにもかも変わると思うたんども、いよいよ変わって来た〔と言うもんだけ」〕。その音が聞こえるというもんだけ」
    「音が聞こえる? そこさ〔魚が〕米があんでろ。西目さ持って行け〔。〕」
④「めんこい子だの。これで学校さ行ってくれれば、もっとめんこい子なんどもの」
    「おら学校さ行きたくねえ」
    「行きたくねえたて、勉強せねばばさまみてえに文字なしになるこったば、嫁にも行けねえでねえか」
    「嫁には行かねえ、あねまさなる」
    「文字なしだば、あねまにもなんねえで。とにかく、学校さは行くもんだ」
     むろん、じさまは早くサキに出て行かせたい。そんな思いがじさまに機嫌取りをさせるのですが、それがなおサキを立とうとさせなくするのです。
    「学校さ行かねえでも、おら西目に習う」
    「西目に?」
    「ンだ。西目は教えてくれるんども、学校だばたんだ墨で消させるばかりだぜ」
    「墨で消させるばかり?」
     じさまが驚いて問い返すと、サキは得意げに教科書を取り出してみせました。成程、至るところが墨黒々と、筆で消されているのです。
    「こうッ。こげだことして、なんするつもりなんでろ」
     サキはますます得意げに、
    「ンでろ」
    「ンだの。西目にこれを見せただか」
    「見せた、見せた」
    「したば、西目はなんと言うただか」
    「いまになにもかも変わると思うたんども、いよいよ変わって来た。その音が聞こえるというもんだけ」
    「音が聞こえる? そこさ米があんでろ。西目さ持って行け」
⑤「めんこい子だの。〔これで学校さ行ってくれれば、もっとめんこい子なんどもの」
    「おら学校さ行きたくねえ」
    「行きたくねえたて、勉強はせねばばさまみてえに文字なしになるこったば、嫁にも行けねえでねえか」
    「嫁には行かねえ、あねまさなる」
    「文字なしだば、あねまにもなんねえで。とにかく、学校さは行くもんだ」
     むろん、じさまは早くサキに出て行かせたい。そんな思いがじさまに機嫌取りをさせるのですが、それがなおサキを立とうとさせなくするのです。
    「学校さ行かねえでも、おら西目に習う」
    「西目に?」
    「ンだ。西目は教えてくれるんども、学校だばたんだ墨で消させるばかりだぜ」
    「墨で消させるばかり?」
     じさまが驚いて問い返すと、サキは得意げに教科書を取り出してみせました。成程、至るところが墨黒々と、筆で消されているのです。
    「こうッ。こげだことして、なんするつもりなんでろ」
     サキはますます得意げに、
    「ンでろ」
    「ンだの。西目にこれを見せただか」
    「見せた、見せた」
    「したば、西目はなんと言うただか」
    「いまになにもかも変わると思うたんども、いよいよ変わって来た。その音が聞こえるというもんだけ」
    「音が聞こえる? そこさ米があんでろ。〕西目さ米でも持って行け」
⑥「めんこい子だの。《590字空き》西目さ米でも持って行け」
⑦「めんこい子だの。《590字空き》西目さ米でも持って行け」
⑧「めんこい子だの。《590字空き》西目さ米でも持って行け」