靖国の絵巻

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田村孝之介

たむら こうのすけ
明治36(1903)-昭和61(1986)
 洋画家。現在の大阪府大阪市東区に生まれる。17歳のとき、上京して太平洋画会研究所で学ぶ。大阪に戻り信濃橋洋画研究所(のち移転して中之島洋画研究所)で小出楢重に師事する。
 昭和2年(1927)、23歳のとき、第14回二科展で「裸婦立像」入選。昭和6年、六甲洋画研究所を開設する。昭和12年、二科会会員となる。戦後は二科会の再設立には加わらず、昭和22年に熊谷守一、宮本三郎、栗原信らと第二紀会を設立(昭和26年に二紀会と改称)。たびたびヨーロッパに取材旅行を行った。昭和60年、文化功労者。
 代表作は「薄衣」(昭和11(1936)、二科展)裸婦、風景、人形などを色彩豊かなに描き、植村鷹千代はその作風を軽妙で明朗かつ重厚と評している。

◇戦争画との関連

 戦時中は昭和15年に中国北部、昭和17年にビルマなどに従軍する。紀行文・画集として伊原宇三郎、高見順、田村孝之介の共著の『共栄圏文化 ビルマ』(昭和19年、陸軍美術協会出版部)がある。昭和16年、大日本航空美術協会(会長:堀丈夫中将)の発起人に名を連ねている。
 戦争美術関係の展覧会では、昭和17年の陸軍省派遣南方従軍画展、昭和18年の陸軍美術展(第1回)、昭和18年の国民総力決戦美術展、昭和19年の陸軍美術展(第2回)に出品しており、昭和14年の第1回聖戦美術展、昭和16年の第2回聖戦美術展、昭和17年の第1回大東亜戦争美術展、昭和18年の第2回大東亜戦争美術展に出品している。また、昭和16年の第1回航空美術展、昭和17年の第2回航空美術展に出品している。昭和19年の戦時特別文展での陸軍省海軍省特別出品にも加わっている。

◇参考文献

河北倫明監修 1989『近代日本美術事典』講談社
『別冊アサヒグラフ』第6巻第1号 通巻第19号 1980年冬 朝日新聞社(美術特集 田村孝之介)
針生一郎ほか編 2007『戦争と美術 1937-1945』国書刊行会

◇東京国立近代美術館所蔵 戦争記録画(アメリカ合衆国 無期限貸与)

「佐野部隊長還らざる大野挺身隊と訣別す」(1944)
「ペラク河口の水上機動」(1944)
「アロルスター橋突破」(1944)

『靖国の絵巻』作品リスト

「慰霊と追悼」 國學院大學 研究開発推進機構 研究開発推進センター