おはらいの文化史 3 『延喜式』えんぎしき巻八


ホーム » 資料解説 » 3 『延喜式』巻八


『延喜式』巻八


解説

 延長5(927)年成立。『弘仁式』『貞観式』に続く養老令の施行細則。大祓おおはらえの際、朝廷の官人かんじんの前で読まれる大祓詞おおはらえのことばは巻八・祝詞式のりとしきに収録[1]豊葦原とよあしはら水穂みずほの国のあめ益人ますひとら(日本の人々)が罪を犯すことや、その罪をはらうのが神々であることは、式の施行により公表されていたことになる。中世の中臣祓なかとみのはらえの文言と極めて近似する。

  1. 『延喜式』成立時の祝詞式の原本は現在伝わらず、最古の写本は、平安時代末期写の九条家本(東京国立博物館蔵)である。この武田本は九条家本につぐ古いもの。筆写した卜部兼永うらべかねなが(応仁元~天文5(1467~1536)年)は山城平野社のあずかり(神職)で、吉田神道を大成させた吉田兼俱よしだかねとも(永享7~永正8(1435~1511)年)の実子。

関連トピック

このページの冒頭へ


Copyright© Research Center for Traditional Culture, Kokugakuin University 2010-2011 All Rights Reserved.

お問い合わせ