おはらいの文化史 4 『日本書紀』にほんしょき巻一


ホーム » 資料解説 » 4 『日本書紀』巻一


『日本書紀』巻一


解説

 天地開闢てんちかいびゃくから持統天皇の時代までのできごとを収めた史書。養老4(720)年成立。巻一[1]には、すさぶ素盞嗚尊すさのおのみこと高天原たかまのはらからはらわれ追放されたことが記されている[2]大祓詞おおはらえのことばにあるあまつみや、罪をあがなうためのはらえものの供出など、はらえの特徴を示す記述もあり、祓の由来を神代に求める考えが、古くからあったことをうかがわせる。

  1. 神代のことは巻一・二に収められており、特に「神代巻」と呼ばれている。これらと巻三・神武天皇紀を書写し、伊豆三嶋宮に奉納したものが三嶋本と呼ばれる。國學院大學には巻一と巻三の断簡が所蔵されているが、当該巻の残りの部分と巻二は現在も三嶋大社に納められている。
  2. 宝鏡図像章ほうきょうずぞうのしょう第二の一書あるふみ
    すでにして罪を素盞嗚尊におほせて、その祓具はらへつものはたる。ここを以て手端吉棄物たなすゑのよしきらひものもの足端凶棄物あなすゑのあしきらひもの有り。またつばきを以て白和帛しろにぎてとなし、よだりを以て青和帛あをにぎてとなし、これを解除竟はらへをへて、遂に神逐かむやらひき。

このページの冒頭へ


Copyright© Research Center for Traditional Culture, Kokugakuin University 2010-2011 All Rights Reserved.

お問い合わせ