第21回・あつし 「ティ・ディ」 スポーツニュースで、アナウンサーが「チーム」を「ティーム」と呼ぶのにも、ようやく慣れた。アナウンス原稿の表記は、「team」なのだろうか。 「ティ」というのは、日本語の歴史の中では新しいようだ。「team」という言葉が日本に入ってきたときは、まだ日本語には「ティ」という表記がなかったのだろう。それで、「チ」を代わりに用いたのではないか。当時は「ティ」が「チ」に聞こえたのかもしれない。だが、発音はそれほど難しくないみたいで、今ではほとんどの人が「ティ」と言えるようだ。
ならば、「ティ」に似た「ディ」はどうだろうか。「ディズニーランド」を「デズニーランド」と言う中高齢者は、少なくない。「アイスキャンディー」も、僕が幼い頃は「アイスキャンデー」と言っていた。「ディ」の発音は、日本人には難しいものなのか。 しかし、何人かの中高齢者に聞いてみると、「キャンディー」とちゃんと言えるのだ。「メロディー」や「ダンディー」も。その人達は、「デズニーランド」と言ってしまうのに。何故だろう?
これは僕の憶測だけど、きっと「ディ」の後に続く言葉によるのではないか。たぶん、「ディ」の後が長音(「ー」)よりも、「ディ」の後が「ズ」の方が言い難いに違いない。「ズ」の代わりにいろんな言葉を試してみれば、言い易い語と言い難い語があるだろう。
それにしても、最近は表記が随分変わってきている。「ウエート」が「ウェイト」、「バイオリン」が「ヴァイオリン」などなど。元の言語の発音を大切にするのは良いけれども、外国語より日本語を大切にして欲しい。外来語や和製外来語が、世の中に溢れ過ぎているように思えてならないのは、気のせいか。
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