第25回・琉真智 「『方』は何処へ行った」 

 

テレビが好きで、特にアニメ好きの私は、「サザエサン」、「ポケモン」、「ワンピース」、「こち亀」、何でも一通りは見ている。

最近、気になるのは、ヒーローが守り救い出すべき、お姫様とかヒロインとが、味方である集団に向かって「あなたタチ」と呼びかけることである。

やはり、「あなた」とくれば「ガタ」でしょう。

「アンタ・タチ」なら、下町風で気っ風がよくてまだユルセル気がするのだが、ヒロインとかお姫様が上品で無垢で可憐であればあるほど、「あなたガタ」と言ってほしいと思うのは、「あなた」にまだ多少の丁寧さを感じるからでしょうか。

子供タチ、犬タチ、鳥タチ、虫タチ、魚タチ、種蒔く人タチ、悪徳代議士タチ…、どう考えてもタチは、敬意とは無縁の語につく。もちろん、子供ガタ、犬ガタ、鳥ガタ、虫ガタ、魚ガタ、種蒔く人ガタ、悪徳代議士ガタ…というのは、許容できない。

では、いったい「ガタ」は何処へ行ったのか。

先日もテレビを見ていたら、NHKの朝の番組でアナウンサーが、中継で「渋谷です。2時間ほど前に、雨のあがりました。最高気温のも21度と、昨日よりあがります。」と言っていた。

あらら、こんなところに「方」はきていたのねと、ミョウに納得しました。

え!違うって。ソレでは、「あなた方」の「方」は何処へ行ってしまって、「雨の方」「最高気温の方」の「方」は何処からきたのでしょうか???

 

 

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