第26回・少納言 「黒四角の謎」

私は新聞を読む時間がないのとネットが身近にできる環境でもあるので、ネットで普通の新聞やスポーツ新聞やらの記事をつまみ食い程度に読むことにしている。特にスポーツ新聞だと授業中の雑談のネタになるものもあったりするので、できるだけ広く目を通している。どの新聞もそうだが、紙のものと違ってすべての記事が全文書いてある訳ではないが、記事によっては全文のものもあるし削られていても内容の概略がわかる程度には書いてあるので、特に不満を感じたことはない。

そんな中で気がついたのだが、紙のものと違ったひとつ目に付く特徴がある。これは特に朝鮮や中国に関する記事に多いのだが、記事の中に黒四角があり、いわば脚注でその箇所を漢字の構成で説明をしている所がある。ネットだとその端末によって漢字を表示できる機能に差があるので、ある機種では出る文字が別の機種では表示できない文字のため、変な文字か別な文字になる“文字化け”をしてしまうからである。それを防ぐために黒四角が登場している。

先日世間を騒がした、中国にある日本の領事館の事件であるが、場所は瀋陽である。事件直後、某スポーツ新聞では“■陽”(脚注で「さんずいに審」)という表示になっていた。私は「けっこう簡単な漢字なのに表示できないんだ」って思ったのだが、その後普通の新聞のほうを見ると、“瀋陽”とちゃんと表示されていた。その後、某スポーツ新聞でもきちんと“瀋陽”と表示されていた。「スポーツ新聞だから…」って言ってしまえばそうだが、それだけでは納得できない部分を感じてしまうのは私だけであろうか。

個人的に漢字はとても好きで、いろいろ気をつけるようにしているのだが、最近の中高生は、本当に漢字が書けないし、書きたいとも思わないらしい。漢字とかながあるのが日本語の表記の大きな特徴の一つとも言えるだろう。漢字を覚えるのは大変だが、もう少し気をつけてくれたらなぁと思うのは、私がグローバル化していない証拠であろうか!?

 

    週刊・会員コラムに戻る  表紙に戻る