第5回・こげくり 「雑誌の『さん』づけ」

電車の中で暇な時、中吊り広告を見て過ごします。

特に雑誌の広告は文字が多くて時間つぶしに最適なのですが、

時々「あれ?」と思うことがあります。

たとえばMINE(講談社)8月号のこんな見出し。

  パンツ派 田中律子さん、スカート派 細川直美さんがお手本

  おしゃれな人の夏服ぐるぐる着回し対決

最近よく見かける、こういった雑誌中での有名人へのさんづけに

違和感を感じるのは私だけでしょうか?

新聞やTVニュース事件報道ならわかりますが、雑誌の記事で

取り上げた芸能人・有名人に「さんづけ」をする必要はあるのでしょうか?

 

インターネットで集英社小学館などの雑誌の目次を眺めてみると、

30,40代女性向けの生活情報誌(MINE、メイプルなど)中心に

「さんづけ」が目立ちます。

それらの雑誌の購買層の女性たちの間でそういった言葉づかいが

好ましいと思われているからでしょう。

 

確かに、さんづけには、憧れの対象である有名人に親しみを抱かせる効果

と同時に、ソフトで洗練された感じがするという、いかにも

その世代の女性に好まれそうな側面がありますね。

 

最初のうちは「うっとうしい」と思っているのに、周りが

みんな使っていると「使わないと乱暴かしら」と思わされるところが、

幼稚園用語の「お着替え」「おカバン」に似ているかもしれません。

 

でも、いくらなんでも 

   安藤優子さんのファッション・エッセイ
      「似合う服が見つからない
!!」(3)     (メイプル8月号 集英社)

のような「エッセイの著者にさんづけ」はやりすぎだと思うのですが・・・。

    

 

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