大学における宗教文化教育の実質化を図るシステム構築
科学研究費補助金 基盤研究A

宗教文化教育に関する学生の意識調査報告書

needs.png  このアンケート調査は、本科研費によって平成20年10月〜12月に全国38の大学で5005名の学生を対象として実施されたものである。
 「宗教文化士」という資格に対して、現時点で学生にどの程度のニーズがあるかを調べるのが主目的であった。同時に宗教文化教育に関連するどのような講義内容に関心があるか、どのような学びが必要と感じられているかなども調べた。
 この結果は平成21年2月に報告書として刊行したので、これをPDFファイルとしたものを本サイトにて公開する。
 ポイントとなる点を示しておくと、この研究が目指している「宗教文化士」(仮称)の資格については、過半数の回答者が「とりたい」もしくは「条件によってはとりたい」と答えている。(グラフ1を参照)。調査実施メンバーによる当初の予想を上回るものとなった。理系の学部の学生においてさえ、肯定的な受け止め方は3割を越している。学生の間には、こうした資格に対する一定の潜在的ニーズがあると言える。


 また、どのような講義を履修したいかでは、「世界の神話」、「宗教が文学・音楽・美術・建築・映画などの文化に与えた影響」が上位となり、半数以上の学生が選んだ。逆に比較的少なかったのは「ムスリム(イスラム教徒)の戒律と実生活」、「暮らしの中の仏教」、「新宗教と呼ばれている近代以降の新しい宗教の活動」などで、3割を切った。(グラフ2を参照)   テーマごとの履修意欲の差は一定程度あるが、宗教文化教育に関係する講義を履修したいという希望は、平均して4割を超えている。今後宗教文化教育のシステム構築を具体化かする上で、非常に参考になる結果であった。

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なお、アンケートを実施した大学は次のとおりである。(五十音順)
愛知学院大学青山学院女子短期大学大阪国際大学学習院大学
鹿児島大学関西学院大学関西大学神田外語大学
関東学院大学京都学園大学京都女子大学慶應義塾大学
神戸大学國學院大學国際基督教大学駒澤大学
淑徳大学上越教育大学白百合女子大学聖心女子大学
創価大学大正大学玉川大学筑波大学
天理大学東海大学東京外国語大学東京理科大学
東洋英和女学院大学名古屋工業大学南山大学新潟産業大学
藤女子大学北海道大学立教大学立正大学
龍谷大学早稲田大学


※その他の結果に関しては、下記のPDFファイルをご参照ください。
宗教文化教育に関する学生の意識調査報告書(753KB)