2009年度後期「アンケート調査実習A」・2010年度前期「アンケート調査実習B」実習のプロセス(兼・編集後記)
「アンケート調査実習A・B」担当教員 小木曽 道夫
【「実習のプロセス」の意図】研究目的や行政目的の調査とは異なり、本調査は教育目的の調査であるため、また大学間の調査実習科目担当者間の情報提供という意図で、通常の調査報告書とは異なり、実習のプロセスや、通常は公表しない経費(支出合計\107,185円)などを公表することにした。
【開講までの経緯】
小木曽は2009年8月27日(木)に胸部中部食道扁平上皮癌で、cT2N1M0の段階と診断され、翌8月28日(金)の経済学部執行部会議の時点では、2009年度の「アンケート調査実習A」を休講する方針となった。この方針に対して小木曽は「アンケート調査実習A」を休講する理由について質問し、2009年9月2日(水)の教務委員会・執行部合同会議において「アンケート調査実習A」は開講することとなった。結局、表2のように、2009年度の「アンケート調査実習A」は小木曽の治療のため計4回休講した。
表2 2009年度の「アンケート調査実習A」の開講・休講と小木曽の入退院
日付 | 詳細 | 入退院 |
8月19日(水) | 入院 | 検査と1回目の化学療法のための入院 |
8月29日(金) | 経済学部執行部会議のため外出 |
8月31日(月) | 1回目の化学療法開始 |
9月15日(火) | 退院 | 自宅療養 |
9月24日(木) | 入院 | 手術のための入院 | |
9月28日(月) | 初回授業のため外出して開講 |
9月30日(水) | 食道と胃の上部を切除し、頸部・胸部・腹部の3領域のリンパ節を郭清し、胸骨後に消化器官を再建する手術 |
10月5日(月) | 休講 |
10月12日(月) | 休講 |
10月15日(木) | 退院 | 自宅療養 |
10月19日(月) | 開講 |
10月26日(月) | 開講 |
10月28日(水) | 入院 | 2回目の化学療法のための入院 |
11月9日(月) | 休講 |
11月14日(土) | 退院 | 自宅療養 |
11月16日(月) | 開講 |
11月23日(月) | 開講 |
11月30日(月) | 開講 |
12月7日(月) | 開講 |
12月14日(月) | 開講 |
12月21日(月) | 入院・休講 | 3回目の化学療法のための入院 |
1月1日 | 退院 | 自宅療養 |
1月18日(月) | 開講 |
【利用教室】
2009年度後期科目・月曜4限開講「アンケート調査実習A」は、渋谷C5教室にて実施した。2010年度前期科目・火曜2限開講「アンケート調査実習B」は、SPSSがインストールされている渋谷C5教室にて開講予定であったが、受講者数が少なかったため814研究室に教室変更して実施した。
【登録者と履修者】
2009年度後期科目「アンケート調査実習A」は、登録者は29名(うち3年生は7名、4年生は2名)であった。そのうち、出席回数が0回、すなわち1回も出席しなかったのは4名(うち4年生が2名)であった。そして、2009年度後期科目「アンケート調査実習A」の合格者は12名であった。
2010年度前期科目「アンケート調査実習B」の登録者と合格者は2名であった。2009年度「アンケート調査実習A」に合格し、かつ、2010年度「アンケート調査実習B」を登録しなかったのは10名であり、うち販売戦略グループの4名は、「アンケート調査実習B」を履修する意志が無いのに「アンケート調査実習A」を履修したと推測され、うち1名は(2009年の経済学部教務部委員であった)「田原(裕子)先生から『アンケート調査実習Aだけ履修すれば良い』と履修指導(!?)されたと内部告発した。
表3 2009年度後期「アンケート調査実習A」・2010年度前期「アンケート調査実習B」の登録者数と合格者数
| 2008年度後期 「アンケート調査実習A」 | 2009年度前期 「アンケート調査実習B」 |
登録者数 | 29 | 2 |
合格者数 | 12 | 2 |
(※課題2.〜課題9.までは、A-調査の実施とB-調査票の作成との2系列の課題がある。)
- 出席:原則として出席リーダーとする。ただし、課題A9.調査の実施の時は点呼により出席を取る。
- 課題1.情報保護誓約書の提出:10月19日までに課題1.履修登録誓約書をパブリックフォルダ\3_経済学部\小木曽 道夫\アンケート調査実習\課題1_情報保護誓約書 または K-SMAPYのリポートの課題1 に提出すること。情報保護誓約書を提出しない者は、情報保護誓約書の全項目に同意できない=調査実習妨害を目的として履修すると判断して履修を認めない。情報保護誓約書を提出した者に対して、課題の多くを提出するパブリックフォルダのアクセス権を与える。
ダウンロードと提出方法:パブリックフォルダ\3_経済学部\小木曽 道夫\アンケート調査実習\課題1_情報保護誓約書 から 情報保護誓約書.docをダウンロードし、網掛けしてあるテキスト・ボックスに氏名・学籍番号などの必要事項を入力し、網掛けしてあるドロップダウンリストから「同意する」または「同意しない」のどちらかを選択し、半角学科記号+半角7桁の学籍番号_情報保護誓約書.doc(例:f0511581_情報保護誓約書.doc)というファイル名と拡張子で名前を付けて保存し、ダウンロードしたフォルダに添付ファイルとして提出する。指定したファイル名と拡張子を遵守しなかった場合には、原則として受理しない。
- 課題A2.調査対象案〜「企業調査」という記述は『会社四季報CD-ROM版』または『CD-ROM 日経 会社情報』をサンプリング台帳とする無作為抽出法によりサンプリングする(または全数調査による)郵送調査を意味する。課題B4・B5をやりながら業種を限定したほうがよいと判断した場合には、課題A2に戻って業種を限定して構わないが、提出先は課題B4・B5の所定のサブフォルダでよい。
前述したもの以外のサンプリング台帳から調査対象を選択したい場合には、課題A2の段階で明記すること。課題A2では、統計調査を実施するために不十分な調査対象案または調査の実施が困難な調査対象案を提案した場合には不合格とする。課題A2.で不合格になれば課題B3.以降には進めない。以下、課題B3〜B5と平行して調査対象についての事前調査を実施する。
- 提出先:パブリックフォルダ\3_経済学部\小木曽 道夫\アンケート調査実習\課題A2 または K-SMAPYのリポートの課題A2
- 第1回目の提出締切り:10月26日(月)15:00
全業種案:『会社四季報 CD-ROM 2009年4集』から上場企業3831社のうち外国企業18社を除く3813社から8分の1の確率で抽出した476社、『会社四季報 未上場会社 CD-ROM 2010年上期』の4258社から9分の1の確率で抽出した473社、計949社を調査対象とする。
- 体験実習T.サンプリング〜サンプリング台帳を使用してサンプリングの体験実習を行う。
- 課題B3.調査項目案〜この課題に基づいてグループ分けを行なう。課題B3.で不合格になれば課題B4.以降には進めない。
- 提出先:パブリックフォルダ\3_経済学部\小木曽 道夫\アンケート調査実習\課題B3 または K-SMAPYのリポートの課題B3
- 第1回目の提出締切り:10月26日(月)15:00
- パブリックフォルダ(中略)\課題B3 の件名「グループ案」の[課題B4OK]列に「○」が入力されている人は課題B4.に進む。
- 課題B4.設問案〜課題B3の内容に準拠して、質問する設問とその設問の担当者を決定する。この課題からグループごとの共同作業が始まる。ただし、グループの最低人数は1人とする。課題B4から課題B5への「進行」は科目担当者の判断とする。パブリックフォルダ 課題B4に「課題B5.調査票の作成に進んでください」といったコメントが返信されたならば、課題B5.に進んでください。
- 具体的な設問(明確になるならば質問文、回答選択肢はまだ不要)案を提出すること。この案でグループ分けや担当する設問の重複などを調整する。
- 件名は個人作業の場合は氏名、共同作業の場合はグループ名とする。
- 回答率を向上させるために、大量の実数値などを記入していただくなど、回答者に負担がかかる設問は認めない。
- 課題B5.調査票の作成〜受講者全員で1つの調査票を作成する:
つまり、グループごとに分担した調査票の設問を作成する。(返信用封筒・あいさつ文を含めて25g以内にする目標。
サンプル番号などを含めて255変数以下とする。)
- 課題B5の納品版(:調査票の編集・印刷工程へ納品する課題B5の採点対象となる版)は、例年、何回も添削を受けて調査票として使用できるレベルに到達するため、第1回目の提出締切は11月中の予定であるが、小木曽のがん治療に伴う休講を補完するため、2009年度は添削回数を大幅に削減する。
- 調査票は12月14日には完成させる。
- 提出場所:パブリックフォルダの課題B5またはその下の各サブフォルダ
- 書式:WORD文書を添付ファイルで提出。
- WORD文書の書式は、(完成版の調査票はB5版とするがコンピュータ教室での印刷を考慮して)A4版横書き、40字×40行、既定値フォントはMS明朝10.5ポイント、数字はMSゴチックとし、必要に応じて、パブリックフォルダの課題B5 にアップロードしてある調査票罫線雛形.xls(※このファイルは頻繁に更新する)を使用すること。
- レイアウトの詳細については、『アンケート調査入門2009』4−7 レイアウトを参照のこと。
- 添付ファイル名は
- 個人作業の場合は、半角の学科記号学籍番号_提出回数.doc(例えば、経済ネットワーキング学科で学籍番号が081234で2回目の提出の場合はT081234_2.doc)
- グループ作業の場合は、グループ名_提出回数.doc(例えば、グループ名が「使用状況」で3回目の提出とすれば、使用状況_3.doc)。
- グループ作業の場合は、添付ファイル中に作業を担当した人の名前を書くこと。1つのファイル全体がグループの共同作業の場合には、添付ファイルの最初に共同作業を分担した人の氏名を、1つのファイル内の各設問ごとで作業を分担した場合には、各設問の質問文の末尾にその設問の作業を分担した人の氏名を明記すること。
- 課題B5が終了して待機状態になった人は、12月中の授業は出席免除とするが、課題A7.と課題A8.の分担および日程の連絡を受けるために、小木曽からのメールに注意すること。
- 必須ではない課題ウ.調査票の編集
- 小木曽が12月21日ごろから3回目の化学療法のため入院予定であるので、
- 課題B6.調査票の印刷
- 課題A7.送信用封筒の宛名書き
- 課題A8.返信用封筒の印刷
はそれ以前に終了する必要がある。
課題B6.調査票の印刷→2009年度は課題としない
- 課題A7.送信用封筒の宛名書き
- 課題A8.返信用封筒の印刷
- 課題A7.と課題A8.は「アンケート調査実習A」をたまプラーザ校舎で開講していた2008年度までは課題とはしていなかった、すなわち、科目担当者の小木曽がひとりで渋谷校舎で作業していた。郵送調査を含むアンケート調査技法を習得するというこの科目の意図からすると望ましいことではなかったが、たまプラーザ校舎で開講していたゆえの限界であった。「アンケート調査実習A」を渋谷校舎で開講した2009年度は、課題A7.と課題A8.を学生に義務づける課題としようと考えていたが、これらの課題はいずれも封筒への印刷であり「教室で授業時間内に実施する」には不向きである。さらに、2009年度は、小木曽が食道癌に罹患し、さらに当初の見込みとは異なり3回の化学療法を要することになり、課題A9.のように授業時間外に時間をとって課題を実施する余地が無くなってしまった。そこで、これらの課題の配点は2点(100点満点中)と大幅に下げて、補講期間中の12月18日(金)13時から814研究室にて(補講と重複しない)受講生の動員をかけた。
- 課題A7.と課題A8.は12月16日(水)〜19日(土)814研究室にて実施した。これらの課題は封筒に印刷するという「監視労働」であり、順調に印刷が進むならば、おもな作業はソフトウェア(送信用封筒はAccess、返信用封筒はAprint)での印刷の指示と封筒の補給である。しかし、最近のプリンタはどうも封筒印刷との相性が悪いようである。使用した封筒はOffice Depot ODクラフト業務用長3(1000通1750円、1通1.75円)で、以下、プリンタ(すべて小木曽 私物)の「成績評価!?」
- BJC35v:動かない
- BJC80v:これらのなかではもっとも高速に封筒に印刷できる。パラレル・ポートなのでNEC LaVie LL770/7を使用した。
- BJS700:黒が印字できない
- PIXUS 850i:一応「正常」だが、封筒は破けてしまう
- PIXUS iP 100:BJC80vより遅いが封筒に印刷できる。
- 課題A9.調査の実施〜調査票の発送 「フィールド・スタディ」とは異なり合宿を伴う実査は実施しないが、宿泊を伴わない合宿に相当する課題として課題A9を課する。2010年1月10日(日)に渋谷校舎 若木タワー814研究室においてする。1月10日(日)に出席できる人は「出席」と、出席できない人は「成人式のため欠席」など欠席理由をサブフォルダ「課題A9」まで投稿すること。
- 1月10日(日)に調査票の製本と返信用封筒の折り紙まで終了した。
- 1月18日(月)に(調査票・挨拶文・返信用封筒の送信用封筒への)封入、送信用封筒ののりとじ、切手貼り、搬入・「投函」が終了し、課題A9まで2009年度「アンケート調査実習A」で終了した。
- 出席は出席リーダーシステムとする。
- 課題10.データ入力とエディティング
- K-SMAPYの教材のinput2010.xls(データ入力用フォーム)と入力仕様書2010.docとをダウンロードして入力作業を開始する。
- input2010.xlsを自分のホーム・ディレクトリィに、半角で自分の学籍番号.xlsというファイル名で保存する。
- 提出はK-SMAPYのリポートのデータ入力(作業を再開後、再提出する場合は、提出した課題を削除後、再提出する)
- 自由回答は全文入力する。したがって、調査票を作成する時点で自由回答を最小限にすること。
- 課題11.集計と分析:
- データ入力が終了後、単純集計、多重回答、クロス集計とχ二乗値検定、平均値の差、相関分析の順で実施する予定
- 必須ではない課題オ.詳細分析(作図表を含む。なお、作図表の詳細については、小木曽道夫著(2006)『SPSSによるやさしいアンケート分析』オーム社、ISBN4-274-06652-5 C3041 定価(本体2400円【税別】)参照)
- 必須ではない課題カ.フィードバック用資料とする要旨版の作成
- 課題12.フィードバック用資料とする要旨版の送付:調査票に単純集計の%および分母となる集計値を入力した要旨版を作成し、有効回答企業のうち調査票末尾に貴社の名称・所在地(と回答してくださった方の部署、役職、御名前)をご記入くださった方に計66社に送付した。うち電子メールアドレスが記入してあり当該のアドレスで送信エラーとならなかった31社には電子メールにより、のこりの35社(×@80円=\2,800円)には郵送により送付した。電子メール場合では添付ファイルとして、郵送によるフィードバックともにMicrosoft Word 2003版を送付した。
- 課題13.レポート〜調査報告書の原稿となるレポートの執筆:
- 締切りは未定
- 執筆分担は(原則として)自分または自分たちが担当した設問についての集計・分析を担当する。共同執筆も可。
※章構成・執筆分担(案)はK-SMAPYの教材に content.html というファイル名でアップロードする。
- 提出先はパブリックフォルダ\3_経済学部\小木曽 道夫\アンケート調査実習B 火6\レポート(※K-SMAPYのリポートは1人1ファイルしか提出できないため)※なお、この提出先のフォルダを、執筆分担調整や共同執筆作業中原稿の一時保管場所などの作業用に利用することができる。
- 提出するレポートの書式はなるべくHTML書式とする。なお、HTMLファイルの「雛形」に準拠すること。
※「雛形」はK-SMAPYの教材に report.html というファイル名でアップロードする。
- Web版の報告書は、上側に本文、下側に図表・調査票を表示するフレーム構造をとるため、本文と図表とは別ファイルで提出する。ただし、単純集計、規模・業種・創業年別クロス集計は作表する必要がない。
- 本文の添付ファイル名は、
- 単独執筆の場合はアルファベット小文字の姓とする(ex.:小木曽道夫ならばogiso.html)。ただし、同姓の人がいる場合にはアルファベット小文字の名とする(ex.:asumi.html,masami.html)
- 共同執筆の場合は"q"+"設問番号"(+"連番")とする。(ex.:問8ならばq8.html)
- 提出するレポートの本文には、図表を参照するリンクを張ることが望ましい。
- (必須ではない課題オ.詳細分析の結果の)表の書式は、原則として冗長なSPANエレメントがないHTML書式とする。なお、課題エについてはExcelブックなど冗長なSPANエレメントが付加されてしまうことが予測される書式で提出した場合には(少し)減点する。表の添付ファイル名は、アルファベット小文字の姓+連番とする(ex.:小木曽道夫の自分が分担した部分の3番目の表ファイルならばogiso3.html)。
- (必須ではない課題オ.詳細分析の結果の)グラフなどの図の書式は、原則として冗長なSPANエレメントがないHTML書式+gifまたはjpg書式とする。図の添付ファイル名は、アルファベット小文字の姓+連番とする(ex.:小木曽道夫の自分が分担した部分の4番目の図ファイルならばogiso4.htmlおよびogiso4.gif)。なお、グラフの作成方法については授業時に指示する。
- 必須ではない課題キ.調査報告書の編集
Copyright 2011, Michio Ogiso
【先頭行へ】