國學院大學トップへ 経済学部トップへ 【経済学部のカリキュラムの目次】
経済ネットワーキング学科のカリキュラムの表【を開く】

 日本経済は、20世紀後半に飛躍的に発展し、世界の経済力の1/7を占める程の大きな規模になりました。しかし、世界は地球的な規模で、深刻な環境問題に直面するとともに、依然として食べる物もなく栄養失調の状態に置かれた人々がたくさんいます。21世紀に生きる私たちは、どのようにして地球環境と共生しながら「持続的に成長可能な経済発展」を実現して行けるのでしょうか。日本企業はたくさん海外に進出していますが、世界経済の中でどのような役割を果たしながら国際貢献して行けるのでしょうか。日本の現実を見ても多くの問題を抱えています。物質的な豊かさを実現してきた反面、過疎過密の是正は進まず、いよいよ高齢社会を迎えました。20年後には、3〜4人に1人が65歳以上になるという、世界でも類を見ないスピ−ドで高齢化が進む日本。経済大国であるはずの日本の力をいかにして人々が安心して暮らすことができ、また希望がかなえられる活力あるある地域づくりに活かしていくことができるのでしょうか。
 経済ネットワ−キング学科は、このような世界と日本が直面する諸問題を真正面から取り上げ、情報・組織・人間関係の各レベルでの関係形成を担い、現場で問題を発見し、考え、解決へ向けチャレンジする人材の育成をめざしています。そこで、私たちが直面している問題状況を実際に現場に行って学ぶ「フィ−ルドスタディ」を採り入れるなど、より具体的に、より直接的に問題に向き合い考える力、自ら調べ解決策を提示できる能力の養成を何よりも重視しています。その実現をめざすカリキュラムとして、2年次の学科基礎科目では、私たちが直面している問題の入門的な講義と問題に向き合うための基本スキルの授業が用意されています。さらに3年次からの専門応用科目では、皆さんが選択したコ−スに応じてより具体的な問題領域を深く学ぶ講義形式の授業と、実際に学外で体験しながらスキルを身につけ学ぶことができる実習授業が開設されています。
 この学科の専門教育科目の履修のしかたを具体的に紹介しましょう。まず、1年では学部共通科目として経済学の基礎を学びます。2年次になると、学科基礎科目として「環境・開発問題入門」「地域社会問題入門」「企業問題入門」「ネットワ−キングの基礎」「社会経済調査の基礎」を学び、解決すべき問題の概要と基本スキルを学習します。そして、3年の始めに後で紹介する3つのコ−スから自分の専攻を選択します。同時に3年〜4年にかけて、少人数教育の場である「演習T・U」(ゼミ)を選択するとともに各問題関連科目を専門応用科目の中から選んで深く学んでいくことになります。専門応用科目の「フィ−ルドスタディ」は、自分の関心・興味のある問題テ−マを教室内で学ぶばかりでなく、現場に出かけ調査などの実習を行います。「アンケ−ト調査実習」も実際に調査票の作成から集計・分析までの実習を行う授業です。これらの現場実習を重視する授業はこの学科の大きな特徴となっています。

表 経済ネットワーキング学科のカリキュラム表

 以下には、各コ−スの紹介とそのコ−スを選んだら少なくともこの科目は履修して欲しいと思われるものを掲げてあります。

「環境と開発」コースの紹介
 このコ―スでは、私たちの住む日本を含む先進国と発展途上国が、地球という有限の環境の中でどのようにして共生してゆくのか、そして地球環境と調和した持続的発展をいかに実現していくのかをテ−マとして学びます。
 そのために理論的な分析だけでなく、先進国の資源多消費型経済の与える影響、発展途上国が直面している経済的諸問題、日本の政府開発援助(ODA)の現状など、現場で生じている具体的な問題、さらにはボランティアの活躍ぶりや非政府組織(NGO)の役割と課題についてもしっかりと学ぶことが大切です。そのために、実際に現場へ出かけ、観察や調査を通じて現実に起きている問題を認識する体験を重視しています。
 「環境と開発」コ−スを選択した皆さんには右のような系統的な履修を勧めます。
「地域と福祉」コースの紹介
 このコ−スは、人々の労働と生活の場である地域が直面している課題、例えば、地域経済の停滞や自治体財政の逼迫、高齢化などの問題について学び、これまでのような中央政府依存から脱却し地域が持っている環境や条件を活かしながら豊かな生活を営んでいける地域のあり方を探求します。
 財政的基盤が弱い中で高齢者福祉については大都市部より進んでいる地方圏・地方都市が少なくありません。他方、産業構造の変化の中で、新たな産業振興と雇用確保を含む「地域おこし」がさまざまな形で取り組まれています。高齢社会の下で、どのような地域と福祉を作り上げていくのかを考えながら、地域活性化の担い手として自治体や地域の各種団体、企業などで活躍できる能力を養成します。
 「地域と福祉」コ−スを選択した皆さんには右のような系統的な履修を勧めます。
「企業ネットワーキング」コースの紹介
 近年の日本企業では、意思決定の迅速化を図るために組織をフラット化し意思決定の権限を下位の階層に委譲するところが増えています。このような動きを企業組織のネットワ−ク化と呼ぶことができます。
 また、このような動きと平行して、実質的な独立会社制となる分社化や企業グル−プの再編が急ピッチで進行しています。これまでの日本の社会システムの支柱でもあった旧財閥や「系列」という縦型の企業間関係から、企業グル−プの枠を超えて合弁・提携などの横断的な企業間関係が増えてきています。
 企業が行う組織の組み替えに関する考え方と事例研究(ケ−ス・スタディ)を検討しながら企業内ネットワ−キングおよび企業間ネットワ−キングのあり方を学ぶことがこのコ−スの目標です。
 このコ−スを選択する皆さんには、右のような系統的な履修モデルにそって学んで行くことを勧めます。

【先頭行へ】【経済学部ホームページの目次へ】