現場体験授業の記録(紫波町での間伐)


 紫波町の特定非営利活動法人(NPO法人)紫波みらい研究所(高橋米勝理事長)など主催の里山づくりプロジェクトは、9月9日までの2日間、同町彦部地区で開かれ、国学院大の学生と地元住民らが森の間伐作業に汗を流しました。

 木材価格低迷や所有者の高齢化で、森林荒廃が進む現状を知ってもらい、里山を再生するのが狙いです。同大の環境問題を考えるサークル「森木会」の学生ら約30人が訪れ、初日は同町彦部石ケ森の森林で、住民約30人と一緒に作業をしました。

 学生たちは、のこぎりやなたで間伐と枝打ちを体験しました。同会代表の山口雄さん(4年)は「いい汗をかいた。森のために働いた充実感がある」と笑顔を見せていました。熊倉万利子さん(3年)は「次第に森に光が入ってきた。目に見えて効果がある」と喜んでいました。

(2006年9月12日の『岩手日報』の記事に基づています)

 東京渋谷区の国学院大学の学生や教授31人が、9月8日、9日の2日間、紫波町彦部地区の山林で枝打ち、下草刈り、間伐体験などを行いました。紫波みらい研究所(高橋米勝理事長)が企画したもので、今年で3回目になります。学生、彦部地区住民、いわて森林再生研究会員ら約70人が参加しました。親鸞聖人の高弟是信房の墓がある石ケ森約1ヘクタールを整備しました。

 35年前と20年前の2回に分けて杉を植林している場所です。学生たちが手をかける前は、枝打ちされていないため、横枝が伸び放題でした。ツルが木に巻き付き、杉以外の木も入り込み、ササが生い茂っていました。枝が空を覆い、光が射し込みませんでした。

 開会式で高橋理事長は「きょう、あすの2日間、学生の皆さんと彦部地区の皆さんで共同で間伐をします。多数参加し素晴らしい環境整備になるでしょう。これを継続事業として紫波町の問題点を一つずつ解決してきたい」と森づくりへの協力を感謝しました。

 午前中は、いわて森林再生研究会の会員たちが山仕事について丁寧に説明しました。午後から下草刈りや枝打ち作業を体験しました。枝打ちや間伐が進むに連れ、風が通り、やがて光が射し込みました。手入れされた山の風景に参加した学生たちは歓声をあげていました。

 初めて山仕事を体験した経済学部3年の熊谷万利子さんは「環境に興味がありますが、私は東京育ちなもので間伐がどのようにするのか分らなかった」、同学部3年の小林理恵さんも「環境関係のゼミに入っているので間伐を体験したいと思って参加した。地域の皆さんの話を聞くのは勉強になる。わたくしは福島県出身、山は身近にありましたが、山に入って木を切るのは初めて」と話していました。

 学生たちは石ケ森近くの川前公民館で2泊しました。日中は山仕事、夜は地域の人たちが作る郷土料理をさかなに交流が行われました。

(2006年9月10日の『盛岡タイムズ』の記事に基づています)

元になった盛岡タイムズの記事

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