新設の総合講座


総合講座「歴史・文化的視点からの自然との共生」の新設

 環境教育研究プロジェクトチームは、歴史的・文化的視点からの導入環境教育を行うために、総合講座を教務委員会に申請しましたが、この度、それが承認されました。平成19年度から実施する予定の総合教育の構想は、以下の通りです。

総合講座新設の必要性

 現代では、複眼的な環境教育の必要性が高まっております。従来の環境教育は、経済的側面あるいは自然科学的な側面から、環境教育が行われており、國學院大學でも、すでに、その視点から専門科目や主題講座などの形で多くの科目が置かれております。しかしながら、歴史・文化的な視点での授業は、専門科目の中に散在しているに過ぎません。そのように散在しているものを、オムニバス形式の総合講座として、新入生を中心とした全学部の学生に提供することは、本学の環境教育の充実に寄与すると考えます。

総合講座の内容

 環境考古学や近世史から、私達の祖先が循環型社会を構築し、環境を大切にしつつ、どのように生活していたかを学びます(西本豊弘及び根岸茂夫)。

 第2に、私達の祖先は、自然との調和の中で生活していたのであり、その生活の裏付けとなっていた宗教や思想、たとえば、神道的自然観を学んでいきます(茂木栄及びヘイヴンズ・ノルマン)。また、人々は、生活のやり方について民話などの民俗文化を創り出し、その伝承によって自然との調和をとれた生活を維持していったことを学びます(小川直之)。

 第3に、明治以降の近代化の中で、産業化の弊害として自然破壊や公害問題が生じたことを学びます(菅井益郎)。

 第4に、公害規制の法律が整備され、その後、自然環境の保護のために規制強化や犯罪化が行われてきたことを学んでいきます(嘉門優、横山実)。

総合講座の講義計画

      第1回 ガイダンス(横山実)

      第2回 環境考古学(西本豊弘)

      第3回 近世の生活――江戸時代の前期――(根岸茂夫)

      第4回 近世の生活――江戸時代の後期――(根岸茂夫)

      第5回 神道的な自然観――総論――(茂木栄)

      第6回 神道的な自然観――各神社の自然環境――(茂木栄)

      第7回 国際的な比較からの自然観(ヘイヴンズ・ノルマン)

      第8回 環境民俗学(小川直之)

      第9回 民話に現れた自然観(小川直之)

      第10回 明治以降の産業化による自然破壊(菅井益郎)

      第11回 明治以降の公害問題とそれへの対応(菅井益郎)

      第12回 刑罰による環境規制の問題点(嘉門優)

      第13回 環境規制と企業犯罪(横山実)

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