エッセイヘ
「なぜ文学なのか?」と問われたら、「自分が生きているからだ」とこたえるしかない。 あるいは「生き生きと生きていたいからだ」と答えるだろう。人が人たる存在であるのは、実利や効用を離れたところにその意味を見出し、考えていくところにあると思う。 だからぼくは詩や小説、音楽や美術、演劇や遊戯など、人間のあらゆる営みに関心を持ち、それを根をもった確かな言葉で考え、捉えかえしていけたらと思わずにはいられないでいる。