−Staff紹介− 近藤良彦 Kondo Yoshihiko
専門分野: 物理学、原子核理論、 中間エネルギー 所属学会: 日本物理学会 担当科目: 2008年度は海外派遣研究 独り言: 新エッセイ “Blue Grass Diary”
ケンタッキー州レキシントンは緑豊かな町でブルーグラスと呼ばれている。私は研究留学のため家族とともにこの地を訪れた。
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〜 サマーキャンプその3 〜 (2009.05.12更新) 後半のキャンプは前半のキャンプに比べると変わっている。一例を挙げると、ブレックファーストやランチのときは床に座って食べるらしい。テーブルや椅子があるのに使えないのだそうだ。
息子はまた行きたくないと言い出した。娘たちはこのキャンプでは同じグループになったのでほとんど2人で遊んでいるらしい。それはそれで楽しいらしいが、何のためのキャンプなのかと考えてしまう。そしてついに息子が休んでしまった。どんなに説得しても「いつもからかわれるんだ」、「先生の対応がおかしい」、「休んで来なくなった子もいるんだ」などと言って動こうとしない。
ただ、私も変な雰囲気を感じていた。それで、小学校のベイリー先生に相談してみることにした。夏休み中は教師も休みであるが、ベイリー先生はいつでも連絡が取れるようにとメールアドレスと電話番号を教えてくれていた。電子メールを送ると数日後返事が来た。旅行に出かけている最中だったらしいが、丁寧に答えてくださり、サマーキャンプのディレクターに相談すべき事柄だと書かれていた。
私は奇妙に思っている点をまとめて、ディレクターに電子メールを送った。ディレクターからはすぐに返事が返ってきた。それには、彼は全く知らなかったがすべて知っておく事柄であり報告に感謝すると書かれていた。その日の夕方、子どもたちがキャンプから帰ると「ランチをテーブルで食べた」と不思議そうに話した。「先生がテーブルで食べるかと僕に聞いてきたんだ」と、どうもその日テーブルで食べたのは私たちの子どもだけだったらしい。その後は、みんなデーブルでランチを食べるようになったそうである。
最後の小旅行の日、行先はウォーターパークである。前のサマーキャンプでも行ったことのある子どもたちに人気の場所である。その日は曇りで小雨がちらつくこともあるあいにくの天気だった。子どもたちに感想を聞くと、前回よりも何倍も楽しかったと返事が返ってきた。天候が幸いして人が少なかったので、前回できなかったアトラクションが思う存分できたそうだ。
その週の金曜日がサマーキャンプ最後の日である。子どもたちにとっては理不尽なことも多々あったようであるが、かなり成長したようにも思えた。
10日後には現地校の新学年が始まった。子どもたちは何の不平も言うことなく通っている。「サマーキャンプより楽しいかい」と聞くと「ぜんぜん違うよ」と返ってきた。以前よりも楽しそうに学校に通う子どもたちを見て、サマーキャンプの経験は生かされているように思えた。−レキシントンの樹氷−