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4−4 文系大学生が入社以前に身につけておくべき知識・技能についてのまとめ

伊藤 百子

 

全体的に見て、いかに不況下に在り、経営規模の縮小だ、リストラクチュァリングの促進だとはいっても、新たな労働力の導入を全く拒否することは、中長期的に見た企業経営上ナンセンスであるといえ、企業は学生(高等教育機関)を新規の潜在的人的資源市場としてみていることに変りはないと思われる。また、企業に入ってから、技能を身につけるといった体質は健在であり、やる気や発想の柔軟性は求められているものの、いまだ「の色に染まります」といったタイプの人材が求められているのではないだろうか。新入社員は中途採用されるような他企業での経験や他の社風を身につけていない為、企業特有の社風に染まりやすいというのが利点であり、純粋培養された企業人を作り上げることが容易である。

これは、グローバル化、ボーダレス化していると言われる経済情勢や企業の中で、日本企業特有の人的資源といった考えが、いまだ息づいていていることを示しているのではなかろうか。

Copyright 2000, Momoko Itoh

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