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電子マネー

加藤 拓海

1.利用している電子マネー(設問1〜設問2)

 設問1は「あなたが利用している電子マネーはどれですか。つぎのなかからすべて選択してください」と質問した。 【単純集計】の結果は、回答が多かった順に、1位は「3_パスモ」が60%、 2位は「2_Suica(スイカ)」が54.8%、3位は「5_nanaco(ナナコ)」が18.2%、4位は「11_Pay Pay(ペイペイ)」が16.3%、5位は「10_LINE Pay」が12.9%、6位は12.0%が「9_メルペイ」、同率7位は9.8%で「7_iD(アイディ)」、「12_d払い」、「6_QUICKpay(クイックペイ)」、「4_WAON(ワオン)」と「1_楽天Edy」、12位は「8_楽天Pay」が5.2%、 13位は「13_QUICPay(クイックペイ)」が4.3%、 同率14位は3.4%で「15_auPay」、 「16_その他」、 「14_オリガミペイ」であった。

 性別に見ると(表1-1)、概して、性別では、利用している電子マネーはほとんど変わらず、選択肢数をカテゴリー数とするカイ2乗検定は5%水準で有意差が認められず、また、個々の選択肢の2値変数のカイ2乗検定は、「2_Suica(スイカ)」が5%水準で有意差が認められたことを例外として、5%水準で有意差が認められたものはなかった。なお、性別では、「2_Suica(スイカ)」を利用しているという回答は、男性が59.7%と女性の48.2%よりも多かった。

 居住形態別に見ると(表1-2)、概して、居住形態別でも、利用している電子マネーはほとんど変わらず、選択肢数をカテゴリー数とするカイ2乗検定は5%水準で有意差が認められず、また、個々の選択肢の2値変数のカイ2乗検定は、「3_パスモ」が5%水準で有意差が認められたことを例外として、5%水準で有意差が認められたものはなかった。なお、居住形態では、「3_パスモ」を利用しているという回答は、自宅以外が72.5%と自宅の56.6%よりも多かった。

 設問2は設問1で「16_その他」を選択した人に伺います。利用しているその他の電子マネーを入力してください」と自由回答方式で質問した。その結果は「ファミぺい」、「ゆうちょペイ」、「au wallet」、「ICOCA」、「Kyash」、「PASPY」という回答が1人・0.3%ずつあった。

2.電子マネーの利用場所(設問3)

 設問3は「電子マネーを利用する場所はどこですか。つぎのなかからすべて選択してください」と質問した。 【単純集計】の結果は、回答が多かった順に、1位は「6_交通機関」が89.2%、 2位は「1_コンビニエンスストア」が83.4%、 3位は「2_ス-パーマーケット」が26.5%、、 4位は「3_飲食店」が25.2%、 5位は「5_テーマパーク」が6.2%、6位は「4_家伝量販店」が5.5%、 7位は9「7_その他」が5.2%であった。

 性別に見ると(表2-1)、概して電子マネーの利用場所はほとんど変わらず、選択肢数をカテゴリー数とするカイ2乗検定は5%水準で有意差が認められず、また、個々の選択肢の2値変数のカイ2乗検定は、5%水準で有意差が認められたものはなかった。なお、カイ2乗検定で5%水準では有意差が認められなかったが、「2_スーパーマーケット」で電子マネーを利用するという回答は、男性が30.6%と女性の20.9%よりも多かった。

3.利用している電子マネーと電子マネーの利用場所との関係

 最後に、利用している電子マネー(設問1)と電子マネーの利用場所(設問3)との関係について、電子マネー(設問1)で利用しているという回答が多かった「3_パスモ」(60.0%)、「2_Suica(スイカ)」(54.8%)、「5_nanaco(ナナコ)」(18.2%)、「11_Pay Pay(ペイペイ)」(16.3%)という上位4つの電子マネーについて見ていくことにしよう。

 設問1で60.0%ともっとも多かった「3_パスモ」を利用しているという回答と、電子マネーの利用場所(設問3)の各項目との関係については、「6_交通機関」で利用しているという回答だけが、カイ2乗検定の結果、5%水準で有意差が認められた (表3-1)(表3-2)。 つまり、設問1で「3_パスモ」を利用している195人のうち、「6_交通機関」で電子マネーを利用している人が92.3%と多かったのと比べて、「3_パスモ」を利用していない130人のうち、「6_交通機関」で電子マネーを利用している人は84.6%と少なかった。さらに、設問3で「6_交通機関」で電子マネーを利用していると回答した290人のうち、設問1で「3_パスモ」を利用している人は62.1%と多かったのと比べて、「3_パスモ」を利用していない人は37.9%と少なかった(表3-3)。このように、パスモを利用している人であれば交通機関で電子マネーを利用している人が多く、カイ2乗検定の結果、5%水準で有意差が認められた(表3-1) 。

 設問1で54.8%と2番目に多かった「2_Suica(スイカ)」を利用しているという回答と、電子マネーの利用場所(設問3)の各項目との関係については、カイ2乗検定の結果、5%水準で有意差が認められたものはなかった(表3-1)(表3-2)。そもそもSuica(スイカ)はJR東日本が発行しているJR東日本の交通機関を利用するための電子マネーであるのに、2_Suica(スイカ)の利用と設問3の単純集計で、89.2%と最も回答が多かった「6_交通機関」との関係についてみると、設問1で「2_Suica(スイカ)」を利用していると回答した178人のうち、設問3で「6_交通機関」で電子マネーを利用している人は89.9%で、「2_Suica(スイカ)」を利用していない147人のうち、「6_交通機関」で電子マネーを利用している人は88.4%と同じぐらいであった (表3-4)。また、設問3で「6_交通機関」で電子マネーを利用していると回答した290人のうち、設問1で「2_Suica(スイカ)」を利用している人は55.2%で、「2_Suica(スイカ)」を利用していない人は44.8%であった。このように、Suica(スイカ)を利用しているか否かに関わらず、交通機関で電子マネーを利用している人の割合が同じぐらいであるため、カイ2乗検定の結果、5%水準で有意差が認められなかった。

 設問1で18.2%と3番目に多かった「5_nanaco(ナナコ)」を利用しているという回答と、電子マネーの利用場所(設問3)の各項目との関係については、カイ2乗検定の結果、「1_コンビニエンスストア」と「3_飲食店」が1%水準、「2_ス-パーマーケット」が5%水準で有意差が認められた(表3-1)(表3-2)。例えば、設問1で「5_nanaco(ナナコ)」を利用していると回答した59人のうち、設問3では電子マネーを利用しているという回答が「1_コンビニエンスストア」で96.6%、「3_飲食店」で44.1%、「2_ス-パーマーケット」で39.0%と多かった。

 設問1で16.3%と4番目に多かった「11_Pay Pay(ペイペイ)」を利用しているという回答と、電子マネーの利用場所(設問3)の各項目との関係については、カイ2乗検定の結果、「1_コンビニエンスストア」、「2_ス-パーマーケット」、「3_飲食店」、「4_家伝量販店」および「5_テーマパーク」が1%水準で有意差が認められた(表3-1)(表3-2)。例えば、設問1で「11_Pay Pay(ペイペイ)」を利用していると回答した53人のうち、設問3では電子マネーを利用しているという回答が「1_コンビニエンスストア」で98.1%、「2_ス-パーマーケット」で52.8%、「3_飲食店」で56.6%、「4_家伝量販店」で20.8%、「5_テーマパークで」17.0%と圧倒的に多かった。以上のことから「11_Pay Pay(ペイペイ)」は利用できる場所が多く便利であると考えられる。

Copyright 2020, Katou Takumi, 國學院大學経済学部 2019年度「アンケート調査」『電子マネーについての調査』』2020年2月26日 公表

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