第5章 第2節 組織構造の三次元モデル【第5章の目次へ戻る】

 ここでは、まず、先行研究における組織構造の次元についての整理を行い、つぎに、組織構造の三次元を定義し、さらに、これらと他の概念との関連についての検討を行うことにしたい。
 組織構造の三次元モデルとは、組織構造、すなわち、管理者による組織成員への統制とこれに対する組織成員の応答行為から構成される社会関係の共時的なパターンを、管理者によって規定された規則のうえでの組織成員の課業に関する統制のパターンである公式構造、組織成員間の相互行為を通じて形成される組織成員によって知覚された職務や課業のパターンである創発的構造、および、組織成員間の相互行為を通じて形成される組織成員の組織やその下位単位への統合である非公式構造、という三つの次元から記述する概念枠組のことである。そして、公式構造は保存的自己組織化と、創発的構造は散逸的自己組織化のうちのゆらぎの自己増幅過程と、非公式構造は散逸的自己組織化のうちの自己創出過程との関連が深い。

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