第7章 第3節 環境変数の測定方法【第7章の目次へ戻る】

 組織環境とは、組織成員の相互行為である組織活動に外在し、かつ、組織活動を取り巻きこれに影響を与えるような要因の総称、のことである。本書では、通常、コンテクスト変数に分類される組織の規模を、組織の内部環境として環境変数に含めて考えることにしたい。環境変数は、「部門調査」において、客観法、および、部門の責任者の評定により測定した。本書の分析では、組織環境の次元として、内部環境に関わるものとして、組織の規模、外部環境に関わるものとして、環境の異質性、および、環境の変動性、の三つを設定した。なお、環境の異質性および変動性という次元の区別は、Thompson(1967:72-3)がタスク環境の次元として提唱したものである。
 本書の分析で用いる環境変数は、組織の規模に関するもので、1.部門の規模、2.企業規模、環境の異質性に関するもので、3.注文生産志向、4.大量生産志向、環境の変動性に関するもので、5.部門長の評価による変動性、6.相互評価による変動性、の6変数である。なお、部門の規模を除けば、これらの変数は部門ではなく企業レベルの属性である。また、組織の規模と部門長の評価による変動性を除けば「工業デザイン・サンプル」以外では環境変数は測定していないために、これらの変数については「工業デザイン・サンプル」のみを分析対象とする。

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