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工業社会においては共有できない物質の奪いあいが経済活動の焦点となり、強制と略奪・搾取が必要となっていたためにヒエラルキー型社会システムが有効であった。一方、情報社会においては共有できる情報の分かちあいが経済活動の焦点となり、説得と融通が必要となってくるためにネットワーク型社会システムが有効になろう。ネットワーク型社会システムとは、社会システムの成員が他の成員や社会システム全体に対して意思決定における自律性を持ち、かつ、成員は当該の社会システムに自発的に参加する社会システムのことである。また、ネットワーキングとは、ある人が他の人を説得したり、ある人が他の人によって納得させられたりといった、説得と納得のつながりによる結びつきをつくっていくコミュニケーションなのである。一方、ヒエラルキー型社会システムとは、成員の意思決定における自律性が欠如している社会システムのことである。
Copyright by 1998,1999 Ogiso, Michio